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2006年06月29日

緑茶をよく飲む人は2型糖尿病の発症が少ない 1万7千人の調査結果

キーワード
食事療法
 1日に日本茶(緑茶)を6杯以上飲む人や、1日にコーヒーを3杯以上飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ2型糖尿病の発症率が3〜4割低くなる。こんな調査結果が、文部科学省科学研究費による大規模コホート研究「JACCスタディー(Japan Collaborative Cohort Study)」で明らかになった。

 この研究は、大阪大の磯博康教授(公衆衛生学)らにより行われ、結果は米国の医学雑誌「アナルズ・オブ・インターナルメディスン」に発表された

 研究は、ベースライン時に糖尿病、心疾患、がんの既往歴のない40〜65歳の1万7,413人(男性6,727人、女性1万686人)を対象に、日本茶(緑茶)、コーヒー、紅茶、ウーロン茶の摂取状況と、糖尿病の診断有無に関して質問票の形式で調査したもの。追跡調査した5年の間に444人が糖尿病を発症した(男性231人、女性213人)。

 年齢、性別、BMI(肥満指数)などの影響を取り除いたところ、日本茶(緑茶)を1日6杯以上飲む人では、ほとんど飲まない人(週1杯以下)と比べ、糖尿病の発症率が33%少なかったことが分かった。また、コーヒーを1日3杯以上飲む人では、ほとんど飲まない人(週1杯以下)と比べ、糖尿病発症率が42%少なかった。紅茶やウーロン茶では、こうした関連はみられなかった。

 なぜ日本茶やコーヒーをよく飲む人では2型糖尿病の発症率が低下するのかは、はっきりと分かっていないが、緑茶やコーヒーに含まれるカフェインの摂取が影響している可能性が示唆されている。特に、BMI(肥満指数)が25以上の肥満の人では、カフェインの摂取量と糖尿病の発症率の低下に関連がみられることが示された。

文部科学省科学研究費がん特定領域 大規模コホート研究(JACC Study)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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