尿糖チェックで糖尿病コントロール

2013年10月30日

症例検証 CASE 1 Aさんの場合

POINT 1 「ご飯は白米よりも玄米を」(5月15日 昼食)

POINT 1 「ご飯は白米よりも玄米を」

 食後血糖に大きく影響を与える要因として、ご飯があります。Aさんは、家庭では玄米のご飯を召し上がっていますが、社員食堂では白米のご飯になります。その違いが今回のデータにも表れていて、やはり社食ランチ日は上昇が大きく、家でのご飯では血糖が上がりにくいようです。

POINT 2 「カレーのじゃがいもは煮込まない!」(5月16日 昼食)

POINT 2 「カレーのじゃがいもは煮込まない!

 カロリーが高いと言われるカレーでも、じゃがいもを抜くだけで血糖変動は随分変わります。カレーは煮込むほど煮崩れてしまい、トロトロになると吸収が早くなり血糖値を急上昇させる原因に。じゃがいもは食物繊維を多く含むので食べ方によっては味方になってくれることもあります。じゃがいもを食べたいなら、例えばスティック状に切って素揚げするフライドポテトのほうがお勧めです(やせている人に限る)。油でコーティングされるので、理論上血糖の上がりは遅くなるでしょう。

 野菜はなるべく大きく切って硬めに仕上げる。かむ回数が増えますし、ゆっくり食べれば血糖の上昇も遅くなるはずです。

 カレーのルウは、脂と小麦粉が入っていますので血糖高値を持続させますから、できるだけさらっとしたカレーにするとよい。インド系のさらさらっとしたカレーや、スープにカレーパウダーで味付けするだけ等がおすすめです。

POINT 3-1 「粉もの注意!揚げ物は"衣"がキケン」(5月17日 昼食)

POINT 3

 豚カツは、揚げ物だからカロリーが高いというのもありますが、血糖上昇の原因はやはり"衣"。衣が厚いほど炭水化物量が高くなってしまいます。

 豚カツにソースをどれくらいかけたかも影響します。豚カツソースは、意外と高糖質です。今回はポン酢かけのメニューでしたので、その心配はありませんでした。

 中華料理が高カロリーなのは、片栗粉を多用することも原因の1つと考えられます。下ごしらえで片栗粉を付けて素揚げ。また、料理の最後に片栗粉でとろみをつけることが多い。これも糖質アップにつながります。

POINT 3-2 「豚カツを食べるには?」(5月17日 昼食)

 衣に大豆粉を使うことによって糖質を減らす。

 揚げずにオーブンで焼く(オイルを上からかける程度)、または油を使わないというフライヤーを利用してみる。

 ロースかヒレかよりも、やはり衣の厚さが影響しますので、衣はできるだけ薄く。市販の揚げ物は、衣をかなり厚くしていることが多いので、自家製が無難。

 たっぷりのキャベツを前半に食べる。ただし、ソースはかけない。まず野菜を食べ終わってから、メインにいくのが良いと言う方がいますが、胃の中はミキサーみたいに混ざるわけではなく、食べた順番に層になります。最後に糖質たっぷりだと、何も混ざるものがなくて最後に血糖が上がってしまうかもしれません。また、野菜だけ食べてもインクレチン(インスリンを出すホルモン)があまり出ません。つまり肉でもご飯でも前半にメインを入れるとインクレチンが出やすくなると言われています。

次は...Aさんの結果を見ての感想:管理栄養士の立場から

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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