尿糖チェックで糖尿病コントロール

2013年10月30日

症例検証 CASE 1 Aさんの場合

Aさんの結果を見ての感想:管理栄養士の立場から

 今回の調査を通じて低糖質食を工夫しているAさんご夫妻の努力に感服しました。教えていただいたAさん自家製低糖質パンはホームベーカリーを利用したパンですが、いかに美味しく、血糖値を上げないようにするか、しかもリーズナブルな値段で仕上げることまで考えています。また、おやつ用には低糖質パンを用意し、分食を実行。血糖が上がりすぎないよう実践しておられました。

 Aさんはご自身の食後高血糖を知った時、低糖質食と食後の運動をさらに増やしたようです。その結果、どちらかと言えばやせであった体格が、さらに体重減少し、BMIは18となってしまいました。そこで摂取エネルギー量を2,500kcal以上、炭水化物エネルギー比50%以上を目標としたほうが良いだろうと話し合いました。

 その結果、奥様の計算では1日の総摂取エネルギーは平均約3,150kcalでした。エネルギー比はPたんぱく質:F脂質:C炭水化物=24:34:42%と炭水化物が50%未満で脂肪が多いのですが、炭水化物は1日316g摂れているから良いだろうということにしました。脂質のなかでも飽和脂肪酸は多い順に豚肉、チーズ、ウインナー、低糖質パン、オリーブオイル、鰺の開き、豆腐です。身近な食材で工夫していることがわかります。

 低糖質パンの中では大豆粉とクルミに脂肪が多く含まれています。牛乳は低脂肪乳を選んでいます。野菜は1日350g以上、玄米と麦入りご飯で食物繊維は28g以上摂れています。食物繊維は食後高血糖を抑えるために大切な要素です。Aさんは奥様の作って下さる料理に感謝し、喜んで食べていらっしゃいます。これらの努力で体重も一ヵ月で1kg増えました。

 さらに、Aさんの運動療法は、徒歩通勤10分、昼休みの縄跳び400回と散歩、ジムまたは家で筋トレ、休日は他に毎食後2,000歩を目標に散歩するなど素晴らしい毎日。お手本のような方ですね。Aさんの希望は自分で血糖値をコントロールする、糖尿病を克服することであろうと思います。私たちはAさんご夫妻をこれからも応援したいと思います。

管理栄養士 加藤 則子

加藤 則子

加藤内科クリニック 管理栄養士
加藤内科クリニックホームページ

略歴

日本女子大学 家政学部食物学科管理栄養士専攻課程卒業、
日本糖尿病療養指導士、病態栄養専門師、
NR・サプリメントアドバイザー、
葛飾糖尿病医会世話人、
東京都糖尿病対策推進会議委員、
東京都糖尿病協会医療スタッフ部会世話人、
東京東部CDEJネットワーク代表世話人、
茶道裏千家準教授

所属学会等

日本糖尿病学会(評議員)、日本糖尿病妊娠学会、日本肥満学会、 日本病態栄養学会(評議員)、日本臨床栄養協会、日本肥満症治療学会、日本栄養士会、 日本マグネシウム学会、日本食物繊維学会、東京骨を守る会、 日本糖尿病合併症学会、ヨーロッパ糖尿病学会、アメリカ糖尿病学会

まとめ

 Aさんは、チャレンジ精神豊富な患者さん。食後の運動や週末の筋トレもしていましたが、血糖値が高く上がってしまうことがあり、そのときは尿糖が出ることも分かりました。これだけ努力しても、食事によって血糖値は自分の思い道理にいかないという事実を知り、インスリンの出方が健常者とは違うということを改めて実感したそうです。可視化されたデータを見ることで、非常に大きな気づきになりました。

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

Copyright ©1996-2022 soshinsha. 掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
治療や療養についてかかりつけの医師や医療スタッフにご相談ください。

このページの
TOPへ ▲