糖尿病による合併症の第3回目は「失明」についてです。
どの合併症も恐ろしいものなのですが、
個人的に私はこれが一番恐ろしいのです。
視力をなくす事によって失うものがあまりにも多く
今のところ想像するに光を失ってからの残りの
人生を歩む自信すらありません。
(盲目の方でも人生を謳歌したり、
立派に社会生活を送られている方もいますので、
これはあくまでも私の個人的意見としてとらえてくださいね)
勿論糖尿病の合併症は命に関わるものが多いため
命を落としてしまっては、失明も何もないのですが、
仕事や生活に関わるすべての事に影響を及ぼすのは言うまでもなく、
また中途失明となると、見えない生活を一から学ばなければなりません。
これは想像ですが、始めから見えない人の何倍も
苦労を強いられると思います。
多分これほど世界が変わる合併症は無いのではと考えています。
ではなぜ糖尿病で失明してしまうのでしょうか?
その主な原因には、「網膜症」「血管新生緑内障」
「黄斑症」「白内障(日本では失明は少ない)」などがあります。
網膜症とは、外から入ってきた像を写す網膜に障害が起こり失明に至る症状です。
網膜は毛細血管が張り巡らされており
糖尿病によって犯された血管が、
網膜に酸素や栄養素を送る事ができなくなり
眼底出血などを引き起こしてしまう病気です。
白内障は、目をカメラに例えるなら、網膜がフィルムで
レンズの役目をするのが水晶体であり、
その水晶体が変性によって白く濁り、レンズが光りを通さなくなり
見えなくなるというものです。
高齢者にも多い病気ですが、糖尿病患者の場合は進行が早くなるそうです。
血管新生緑内障はカメラの絞りにあたる、目の虹彩(こうさい)に
正常なときには存在しない新しい血管が出来ます。
実はこの血管は厄介なもので、虹彩を潤す水分の出口を塞いでしまい
眼圧が高くなり、視神経が圧迫を受け失明に至るのです。
このように糖尿病による失明にもいろいろなプロセスがありますが、
結局は体中に張り巡らされた血管の障害による症状なのです。
言い換えれば、体のどこに障害が起きても不思議ではないのが
この糖尿病の怖いところであり、特徴でもあります。
3回続けて合併症について取り上げましたが、
ほかにも合併症の出る部分はたくさんありますので、
すべてはは描ききれません。
そこで合併症の特徴的なところを取り上げさせてもらいました。
結局我々糖尿病と言われた者がやれる事は、日々の節制と適度な運動、
定期的な通院・検査による自己管理につきると思います。
自分自身あまり模範的な人間だとは思えませんが、
「忘れない」という意味ではこのサイトには
少しは意味があると感じてます。
編集部より:
このコーナーは、2型糖尿病患者であるgonzuiさんが、ご自身の体験をもとに糖尿病の体験記をマンガで表現し、同じ2型患者さんと悩みを共有し、ご理解いただければ、という目的で制作したコンテンツです。
よって、本内容については、個人の体験をもとにしているため、全ての2型糖尿病患者さんにあてはまらない内容も含んでおります。また、1型糖尿病患者さんを想定したものではありません。
患者さんの体験や感情をストレートに表現した内容には、誤解を生む表現や不愉快と感じる表現もあるかと存じますが、あらかじめご了解の上、ご覧ください。