糖尿病という病は膵臓から出るインスリンが減り(あるいは全く出ない)
食事などによって摂取した糖の血中での濃度(血糖値)が下がらずに
徐々に血管を浸食して行く病気である事は以前にも説明しました。
ここまでならば日々の生活改善と適度な運動などによって
血糖値のコントロールをする事が出来、今までと何ら変わらない
生活を送る事が可能です。いやむしろ暴飲暴食や運動不足が改善され
以前より健康的な毎日を過ごす事になります。
実際現在の私がそうでありまして、体重が軽くなったのはもとより
偏頭痛やいびきなどもなくなり発症前より快適なのは間違いありません。
しかし、この快適さにあぐらをかき食事制限や運動を忘れ
以前のような不摂生に戻ってしまったならば、どうでしょう?
血管や組織はぼろぼろになりいろんな部位に障害が現れるでしょう。
そう「合併症」であります。
今回は特に内臓の中で顕著に障害が現れる「腎臓」について
書きたいと思います。
腎臓の機能は体液の濾過と言っていいでしょう。
体液の必要不必要をより分け
不必要なものを尿と一緒に排出する機能を持っており、
腹部の左右に一個ずつあって、たとえ片方が駄目になっても
残されたひとつがあれば
生活に大した支障をもたらさないパワフルな臓器でもあります。
しかし糖尿病によって腎臓に合併症が出てしまったならば事態は深刻です。
本来ならば体外に排出されなければならない毒素が体中に溜まり
尿毒症などと言った死をも招く症状が現れてしまいます、
これがいわゆる糖尿性腎機能障害の末期である腎不全なのです。
腎臓の機能を知るひとつの指針として「クレアチニン」の数値があります。
この物質は腎臓が健全ならば尿として排出されるもので
血液中の量が男性ならば0.5〜1.1mg/dL、
女性ならば0.4〜0.8mg/dLの範囲内ならば腎機能は正常と考えられます。
この数値が高くなれば腎臓の機能が落ちていると
判断するようです。
では、腎不全となるとどうすればよいのでしょうか?
現在の医学では元に戻す事は出来ません。
腎臓移植という方法もありますが、
適合する腎臓を探すのには何年も待たなければなりませんし、
見つからない事の方が多いようです。
そこで現在行われている有効な手段は「人工透析」です。
これは腎臓が行っている役割を機械によって人工的に代替する事です。
その事前作業として「シャント」と呼ばれる血管を体外へ引きずり出し
透析をしやすくする手術もしなければなりません。
何しろ人工透析というものは
1回2〜4時間、週に数回行わなければならないのですから、
これではこれまでの生活を維持する事は難しく、生活全般を見直し
透析の時間を確保せねばなりません。大変な事です。
そして食事に於いても「カリウム」「リン酸」などの電解質も
控えなければなりませんし、尿がほとんど出ないとか
全く出ないようになってしまうので
水分摂取もきちんと管理しなければならないのです。
本当に合併症が恐ろしいのは死の危険もさることながら
今までの生活が一変し、長くつらい治療が待ち受けている
という事だからです、これは決して容易な事ではありません。
だからこそ日々の生活に於いて節制が必要不可欠になるのです。
私は自分自身がいくら体調がよく、
毎日を快適に過ごせているからと言って
「糖尿病」が治ったなどと勘違いせぬようにとこのサイトを
続けているのです。
編集部より:
このコーナーは、2型糖尿病患者であるgonzuiさんが、ご自身の体験をもとに糖尿病の体験記をマンガで表現し、同じ2型患者さんと悩みを共有し、ご理解いただければ、という目的で制作したコンテンツです。
よって、本内容については、個人の体験をもとにしているため、全ての2型糖尿病患者さんにあてはまらない内容も含んでおります。また、1型糖尿病患者さんを想定したものではありません。
患者さんの体験や感情をストレートに表現した内容には、誤解を生む表現や不愉快と感じる表現もあるかと存じますが、あらかじめご了解の上、ご覧ください。