単純に尿に糖がまじるということが、糖尿病の本質だとは
誰も考えないと思いますが、
いかんせん「糖尿病」という言葉自体が、この病気の本質を
ずらしているのも事実でしょう。
「心臓病」、、、、、なんだか聞いただけで胸が苦しくなり、
今にも命の危険を感じますね。
「脳卒中」、、、、、言わずもがな「脳」ってだけでインパクトが大ですな。
「結核」、、、、、なんだか文学的な香りもあり「サナトリウム」なんて
言葉が出そうなくらい、ロマンチック。
「癌」、、、、、もう字を見ただけで恐ろしさすらありますね。
「突発性門脈圧亢進症」、、、、、何が何だかわかりませんが、
一大事って雰囲気アリアリです。
「糖尿病」、、、、、おしっこが甘くなる病気、、、、
いやいやいや、それは結果であり、決して尿に糖が交じることが
大問題ではないのですね、
血管に糖が溜まりまくり、膵臓から分泌されるインスリンが減ったり
働きにくくなって、あふれた糖が尿によって排出される状態が、
おしっこが甘くなるってことであります。
この名前のせいでこの病気の本質がぼけてしまい
どのような経過をだどり、どのような症状がでて、
どのような恐ろしさをもっているのか知らない人が多いような気がします、
実際私がそうでしたから。
実際「糖尿病」は色々な合併症を引き起こします、
腎臓がダメになるケース、四肢が壊疽を起こし切断を余儀なくされるケース、
失明に至るケースなど代表的なものだけでも
これだけ恐ろしい合併症を見ることが出来ます、
全ては血管の障害がもたらすもので、人間の体は血管が張り巡らされて
いるわけで、どこに障害が起きても不思議ではないのです。
特に毛細血管は傷つきやすく、それが集中している臓器や
血液循環が滞りやすい下肢の末端などで
障害が現れやすいのです、もちろん「脳」とて例外ではありません。
ならばいっそ名前を変えてはどうかとも思いますが、
こればっかりは個人が発信しても難しいかなと思います、
もっと大きな団体からの提言、あるいは政治的な場所での発言などが
必要な気がしますし、そこまで持っていくエネルギーなんて
私自身もありません。
私がこうやって漫画を使って糖尿病を取り上げるのは、
この病気のことを知ってほしいと言う思いはもちろんありますが、
自分自身がこの病気ときちんと向き合うことで
地道で根気のいる治療をおろそかにしないことと、
なってしまったことに落ち込むのではなく
少しでも明るく生活するために「糖尿病」を笑ってしまおうという
気持ちもあります。
なんだか、最初と矛盾していることを話しているかもしれませんが、
恐ろしげな名前をつけた結果、落ち込む人が増えるよりも、
この病気の本質を知ってもらうことのほうが大事かなと思っています。
編集部より:
このコーナーは、2型糖尿病患者であるgonzuiさんが、ご自身の体験をもとに糖尿病の体験記をマンガで表現し、同じ2型患者さんと悩みを共有し、ご理解いただければ、という目的で制作したコンテンツです。
よって、本内容については、個人の体験をもとにしているため、全ての2型糖尿病患者さんにあてはまらない内容も含んでおります。また、1型糖尿病患者さんを想定したものではありません。
患者さんの体験や感情をストレートに表現した内容には、誤解を生む表現や不愉快と感じる表現もあるかと存じますが、あらかじめご了解の上、ご覧ください。