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2023年06月02日

1型糖尿病を「治る」病気に 最先端の研究を支援 日本IDDMネットワークが「サイエンスフォーラム」を開催

 日本IDDMネットワークは、1型糖尿病の「根絶(=治療+根治+予防)」を一刻も早く実現し、1型糖尿病による生涯の負担から解放することを目標に活動している認定NPO法人。

 同NPO法人は、2005年に「1型糖尿病研究基金」を設立し、これまでに多くの1型糖尿病についての最先端の研究を支援している。

 1型糖尿病の根治に向けたイベント「サイエンスフォーラム 2023 in 大阪-根治に向けてのカウントダウン3-」を6月25日(日)に開催する。

1型糖尿病を根絶する最先端の研究を支援

 認定NPO法人「日本IDDMネットワーク」(理事長:井上龍夫 岩永幸三、本部:佐賀市)は、1型糖尿病をはじめインスリン治療を必要とする患者・家族が希望をもって生きられる社会の実現を目指して活動をしている。

 日本IDDMネットワークは、1型糖尿病の「根絶(=治療+根治+予防)」を一刻も早く実現し、1型糖尿病による生涯の負担から解放することを目標に活動している。

 1型糖尿病は、生きていくのに欠かせないインスリンを産生するβ細胞が壊されてしまい、インスリンがほとんど分泌されなくなり発症する疾患。原因不明で、小児期に突然発症することが多い。現在の医療では、生涯にわたり毎日4~5回の注射、またはポンプによるインスリン補充が必要となる。

 糖尿病の大半を占め生活習慣病とも言われる2型糖尿病とまったく異なり、1型糖尿病の日本での年間発症率は10万人当たり2人程度と希少だ。1型糖尿病に対する社会的な認知や理解は十分に得られておらず、患者と家族の精神的・経済的負担は大きい。

 同NPO法人は、こうした患者の負担をなくすことを目指して、1型糖尿病についての最先端の研究を支援するために、さまざまなクラウドファンディングを展開している。これまでに多くの実績を重ねており、広く参加を呼びかけている。

"治らない"から"治る"をみんなで目指す

 日本IDDMネットワークは、1型糖尿病の根治に向けたイベント「サイエンスフォーラム 2023 in 大阪-根治に向けてのカウントダウン3-」を6月25日(日)に開催する。

 同NPO法人が支援している研究者と1型糖尿病患者・家族が交流し、1型糖尿病"根絶"を目指す研究をさらに加速させるためのイベントとしている。

 「今年は4年ぶりの対面イベントということもあり、スペシャルゲストを招いて開催します!」と、同NPO法人では述べている。

 「第1部では、現在進められている研究の進捗について研究者の方々からの発表や、元阪神タイガース投手の岩田稔さん、ブロガーのマルコさん、糖尿病専門医の田中慧先生を迎えたパネルディスカッションを行います。第2部では、患者・家族と医療者・研究者との参加者交流会をテーマに分かれて行います」。

 「インスリンが必要な病気についての知識や理解を深め、"治らない"から"治る"へ変えるため、多くの方と協力し合いながら目指しています」としている。

日本IDDMネットワークの「1型糖尿病研究基金助成プロジェクト」

 イベントでは、日本IDDMネットワークが進めている「1型糖尿病研究基金助成プロジェクト」で支援している研究者や医師らが講演をする。

「膵β細胞再生~移植ではない治療法~」
白川 純 先生 (群馬大学 生体調節研究所 代謝疾患医科学分野 教授)

ヒトの膵島を用いて、体のなかで膵β細胞の量を調節するメカニズムをみつけだし、1型糖尿病患者に残されている膵β細胞をふたたび増やして元に戻すことができるような、糖尿病の根本治療法の開発を目指している。

「バイオ人工膵島移植の実現に向けて」
浅利貞毅 先生 (神戸大学大学院医学研究科 外科学講座 国際がん医療・研究推進学分野特命教授)
松本慎一 先生 (国立国際医療研究センター研究所 膵島移植企業連携プロジェクト 研究アドバイザー)

1型糖尿病根治の方法として膵臓移植や膵島移植が保険診療となっているが、日本では「ドナー(臓器提供者)」が圧倒的に不足している。これを解決する方法として期待されているのが「バイオ人工膵島移植」だ。無菌室で育てられた医療用ブタの膵島を特殊なカプセルで包み、患者に移植するバイオ人工膵島移植の実現を目指す。

「iPS細胞による1型糖尿病根治」
長船健二 先生 (京都大学iPS細胞研究所教授)

ヒトの「iPS細胞」から作った膵臓細胞を移植する再生医療の開発に取り組んでいる。iPS細胞は、さまざまな組織や臓器の細胞に分化する能力と、増殖する能力をもつ多能性幹細胞。iPS細胞から移植用の膵臓細胞を作り出し、1型糖尿病の新しい根治療法の実現を目指している。

 同NPO法人では、2005年に「1型糖尿病研究基金」を設立し、これまで2023年5月29日時点で137件 7億1,036万円の研究費助成を行っている。

 「当基金は、患者・家族自らが"不治の病を治る病にする"、"不可能を可能にする"挑戦に賛同いただいた方々からの当NPO法人への直接の寄付並びに"佐賀県庁への日本IDDMネットワーク指定のふるさと納税"など、日本全国の方々からのご支援で成り立っています」としている。

開催概要

【参加費】無料
日時2023年6月25日(日)10:30~17:00 (10:00開場)
場所難波御堂筋ホール
大阪市中央区難波4-2-1 地図

当日来場者は100人まで。サイエンスフォーラム開催後、30日間視聴可能のオンデマンド動画を販売。購入価格は500円です。
※ライブ配信はありません。当日の様子を編集して後日公開します。(予約購入可)
対象全国の糖尿病患者(1型/2型/MODYなど)・家族、研究者、医療関係者、行政、企業、広く一般の方々など、どなたでもご参加ください。

パネルディスカッション「『インスリン』が必要な病気について知ろう!」では、岩田稔さん(元阪神タイガース投手、1型糖尿病患者)、マルコさん(ブロガー、2型糖尿病患者家族)、田中慧さん(糖尿病専門医おだQ、MODY患者)が登壇。参加者交流会(研究者、医師等と患者・家族との交流)も開催。

詳しくは日本IDDMネットワークのホームページをご覧ください。

1型糖尿病研究基金 (日本IDDMネットワーク)
 1型糖尿病の根治治療が1日も早く実現するよう、研究のサポートをする募金への参加を呼びかけている。

佐賀県NPO支援 日本IDDMネットワーク
 日本IDDMネットワークを指定して佐賀県庁へふるさと納税をすると、寄付額の90%が同法人に寄付される。ふるさと納税の返礼品は、佐賀牛や有田焼など多数に及ぶ。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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