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2023年04月07日
「マグネシウム」は糖尿病の人の強い味方 日本食スタイルが有利 脳の健康の改善にもつながる
マグネシウムの摂取量が多い人は、2型糖尿病のリスクが低いことが知られている。
とくに、食事で食物繊維とマグネシウムを十分に摂ることは、2型糖尿病のリスク低下と強く関連している。
マグネシウムが足りていることは、脳の健康の改善にもつながるという研究も報告されている。
マグネシウムは、葉物野菜や全粒穀物、魚介類・海藻・大豆食品などに多く含まれている。毎日の食事で十分に摂りたい。
日本人に多いマグネシウム不足
多く含まれる食品は?
マグネシウムは、体にとって必ず必要な必須ミネラル。摂取した食物を吸収して、エネルギーや体に必要な物質をつくりだすのに使われており、カルシウムなどとともに骨を形成する役割もになっている。筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整などにも役立っている。
「日本人の食事摂取基準」では、1日のマグネシウムの推奨量は30~64歳の男性では370mg、女性では240mgになっている。しかし、国民健康・栄養調査によると、日本人のマグネシウムの1日摂取量の平均は247mgで足りていない。
日本食の食事スタイルは、マグネシウムや食物繊維を摂るのに有利だ。長期にわたるマグネシウムの不足は、骨粗鬆症、心疾患、2型糖尿病などのリスクを上昇させるという報告がある。
マグネシウムが多く含まれる食品
▼ カツオ・マグロ・イワシ・サバ・アサリなどの魚介類▼ 豆腐・納豆・油揚げ・がんもどきなどの大豆食品
▼ ホウレンソウやゴボウなどの野菜
▼ ワカメなどの海藻
▼ 精製されていない玄米や雑穀などの全粒穀物
▼ アーモンド・カシューナッツ・クルミなどのナッツ類
▼ ゴマ
マグネシウムは糖尿病の人にとっても重要
マグネシウムは認知症の予防にも役立つ
葉物野菜や全粒穀物などを食べることが大切
オーストラリア国立大学による新しい研究では、毎日の食事でマグネシウムを十分に摂っていると、認知症の予防につながることも示された。マグネシウムが足りていることは、脳の健康の改善にもつながるとしている。
「毎日の食事で、ホウレンソウなどの葉物野菜、全粒穀物、ナッツやマメ類などのマグネシウムが豊富に含まれる食品を十分に食べることは、認知症のリスクを軽減するのにも役立つ可能性があります」と、同大学脳機能イメージング研究所のカウラ アラティーク氏は言う。
研究グループは、大規模研究である英国バイオバンクに参加した、英国の40歳~73歳の6,000人以上の成人のデータを解析した。
その結果、食事でマグネシウムを多く摂っている人は、脳容積がより大きい傾向がみられた。マグネシウム摂取量が41%増加すると、加齢にともなう脳の収縮が少なくなる可能性が示された。
さらに、マグネシウムを1日に550mg摂っている人は、350mgしか摂っていない人に比べ、55歳に達するまでの脳年齢が約1歳若いことと関連していた。
「認知症には明確な治療法はなく、薬理学的な治療法の開発は過去30年間であまり進歩していません」と、アラティーク氏は言う。
「そのため、認知症の予防にもっと注意を向けるべきであり、健康的な食事により脳の老化を抑制できることがはっきりすれば、食事などの生活スタイルの改善を公衆衛生上の介入として取り入れられるようになる可能性があります」としている。
葉物野菜や全粒穀物などを食べることが大切
Magnesium Intake, Quality of Carbohydrates, and Risk of Type 2 Diabetes: Results From Three U.S. Cohorts (Diabetes Care 2017年10月4日)
Magnesium Intake and Risk of Type 2 Diabetes: Meta-analysis of prospective cohort studies (Diabetes Care 2011年8月19日)
Dose-Response Relationship between Dietary Magnesium Intake and Risk of Type 2 Diabetes Mellitus: A Systematic Review and Meta-Regression Analysis of Prospective Cohort Studies (Nutrients 2016年11月19日)
Eating more magnesium each day keeps dementia at bay (オーストラリア国立大学 2023年3月24日)
Dietary magnesium intake is related to larger brain volumes and lower white matter lesions with notable sex differences (European Journal of Nutrition 2023年3月10日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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