ニュース
2014年06月28日
食品の栄養表示が変わる 消費者庁が新たな基準案を発表
- キーワード
- 食事療法
食品の安全性や品質などを分かりやすく表示する食品表示法が来年施行されるのを前に、消費者庁は表示の基準案をまとめた。カロリーやタンパク質など5つの項目について、加工食品などへの表示が義務づけられることになった。
食品の栄養成分や賞味期限などといった表示は、これまで、「食品衛生法」、「JAS法」、「健康増進法」の3つの法律でばらばらに定められていたが、来年6月に施行される「食品表示法」では、これらが一括して定められる。 現行の表示制度から大きく変わる点は(1)栄養成分表示の義務化、(2)アレルギー表示の厳格化、(3)栄養強調表示のルール改善――など。
栄養成分表示の義務化
これまで事業者に判断が任されていた5つの項目について、加工食品などへの表示を義務づける。その5つの項目は、「カロリー」、「タンパク質」、「脂質」、「炭水化物」、「ナトリウム」だ。
ナトリウムは、消費者に分かりやすく「食塩相当量」を必ず示すこととした。また、「飽和脂肪酸」と「食物繊維」の表示を推奨する。
アレルギー表示の厳格化
栄養強調表示のルール改善
「ノンカロリー」「低脂肪」「砂糖不使用」などの栄養強調表示は、消費者にとってわかりにくいという意見がかねてより出ていた。基準案では、食品の国際規格であるコーデックスガイドラインにならい、新たなルールづくりが検討されている。
たとえば「カロリーハーフ」や「塩分○%カット」といった表記は、新しい基準では、比較する商品との相対値で25%以上の差がないと表示ができなくなる。
また、現行のルールではブドウ糖や果糖などの糖類を添加していても、砂糖が使われていなければ「砂糖不使用」や「砂糖無添加」と表記できるため、消費者にわかりにくいと指摘されていた。新しい基準では、「いかなる糖類も添加されていない」、「糖類を使用した原材料を含まない」など、より厳しい基準が検討されている。
カロリー表示や糖類以外にも、タンパク質、脂質、炭水化物、塩分といった主要な栄養素について適用される予定だ。
製造業者の表示の義務化
基準案では、原則としてすべての商品に製造者を表示する案が示された。スーパーマーケットなどのブランドで販売されるいわゆるプライベートブランド商品への製造者の表示についても対応する。
「健康食品」の機能性表示の新制度を導入
食品の成分がどのように体にいいのかを示す「機能性表示」も新制度の導入が決まった。
安全性や有効性についてヒトを対象とした試験や研究論断で成果を実証すれば、企業の責任で機能性を表示できる制度を新設する方針。
これまで「食後の血糖値の上昇を緩やかにする」、「血圧が高めの方に適する」といった、特定の機能を表示できるのは「特定保健用食品」(トクホ)と「栄養機能食品」に限られていた。消費者庁はこれらとは別に第三の制度を検討している。
表示できる範囲は「健康維持・増進」に関する内容とする。ただし、具体的な病名を出すことや予防効果があるなどの表現は認めない方針。
消費者庁は基準案をもとに7月にパブリックコメントや全国の主要都市で説明会を開いた後、今秋にも同委員会に基準案を諮問、年内にも同委員会が答申する見通しだ。
食品表示(消費者庁)栄養表示に関する調査会報告書(案)(内閣府)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
食事療法の関連記事
- 「和食」が認知症リスクを低下 日本型の食事は脳の健康にも良い 糖尿病の人は認知症リスクが高い
- どんな食事スタイルの人が糖尿病リスクが高い? 食事を改善する簡単な方法「食べることに意識を集中」
- 暑い夏の水分補給 甘い飲み物を水に置き換えると糖尿病リスクは低下 食事改善にも役立つ「上手な水の飲み方」
- スマホで写真を撮ると食事改善がうまくいく 糖尿病の治療に活用 食事の振り返りができる
- 糖尿病の人は胃がんのリスクが高い どうすれば対策できる? 胃がんを予防するための6つの方法
- ブルーベリーが腸内環境を健康にして糖尿病や肥満を改善 メントールから抗肥満・抗炎症の化合物
- 糖尿病の人は腎臓病のリスクが高い 腎臓を守るために何が必要? 「糖尿病・腎臓病アトラス」を公開
- 緑茶を飲んでいる人は糖尿病リスクが低下 心臓病や脳卒中が減少 緑茶は歯周病の予防にも良い?
- 今年も猛暑に 「良い睡眠」で対策 睡眠不足は糖尿病を悪化 暑い夏の夜でもぐっすり眠る3つの方法
- 植物性食品が中心の食事スタイルが糖尿病リスクを低下 心臓血管病・がん・うつ病のリスクも減少