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2013年06月11日
外食メニューの多くは高カロリー 利用者はカロリーを過小評価しがち
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また塩分も多く、多くの成人にとっての1日の摂取推奨量1,500mgの151%にあたる2,269mgが含まれていた。脂肪分は1日の摂取推奨量の89%が含まれ、そのうち飽和脂肪は1日の摂取推奨量の平均83%に上り、コレステロールは同60%だった。
「最近は低カロリーのメニューを提供するレストランも増えていますが、実際にはレストランで提供される1回分の食事の多くは、平均的な成人が1日に必要とするカロリー量の半分以上が含まれているという結果になりました。利用するときは、カロリーの過剰摂取につながりやすいことに注意すべきです。外食には塩分、脂肪分、コレステロールも多く含まれることを知っておくべきです」と、ロバーツ氏は強調する。
研究チームは、ボストン周辺にある小規模チェーン店など33店舗の食事メニューも調査した。サンプルをとったのは、メキシコ料理、米国料理、中華料理、イタリア料理、日本料理、タイ料理、インド料理、ギリシャ料理、ベトナム料理のレストラン。これらの店舗で提供される食事の平均カロリー量は、平均で1,327kcalだった。
「調査対象となった食事メニューの平均カロリーは、成人の1日の推奨量の3分の2に上っていました。どのタイプのレストランの食事も、標準体重を維持するための必要量を大幅に上回るカロリーを提供していました。メニューにカロリー表示がなければ、簡単にカロリーをとりすぎてしまいます」と、ロバーツ氏は述べている。
1食あたりの平均カロリー量がもっとも多かったのはイタリア料理の1,775kcalだった。次いで、米国料理(1,494kcal)、中華料理(1,474kcal)と続いた。一方、もっとも低かったのはベトナム料理の922kcalで、日本料理は1,027kcalで2番目に低かった。
研究チームは、アメリカ北東部にあるファストフード・チェーン店(マクドナルド、バーガーキング、ウェンディーズ、ケンタッキー、サブウェイ、ダンキンドーナツ)89店舗で、3,400人を対象とした大規模な断面調査を行った。
調査時には、メニューのカロリー表示を行わず、食事をした人が1回の食事でどれだけのカロリーを摂取したかを予測してもらった。研究参加者は、成人(18歳以上)、青年(11-20歳)、学齢児(3-15歳)に分類された。
参加者にファストフード店で実際に食事をしてもらい、メニューのカロリーを計算してもらい提出してもらった。さらにアンケートを実施し、自分で選んだメニューの総カロリーはどれくらいだったと思うかを訊ねた。学齢児のアンケートは親が答えてもらった。
選択したメニューの合計の平均カロリーは、成人で836kcal、青年756kcal、学齢児733kcalだった。また、アンケートで聞いたカロリーの推測値の平均は、実際のカロリーより低く、その差は成人でマイナス175kcal、青年でマイナス259kcal、学齢児(の親)でマイナス175kcalだった。
参加者の3分の2は、実際のメニューのカロリーは500kcal以上だったが、約4分の1ほど少なめに予測していた。また、メニューの合計カロリーが多い人ほど、よりカロリーを過小に見積る傾向がみられた。
「ファストフードを利用する人は、自分が選んだメニューのカロリーを控えめに認識している傾向があります。特に10代の若者や学齢時でこの傾向は顕著にみられました」と、ハーバード大学ピルグリム・ヘルスケア研究所のジェイソン ブロック氏は述べている。
「外食メニューにカロリーがどれだけ含まれるかをはっきりと表示するインフォームドチョイスの考え方を推し進める必要があります。あらかじめ情報を知っていれば、より健康的なメニューを選びやすくなります」と、ブロック氏は強調している。
カロリー表示を行うだけでなく、社会的なマーケティングキャンペーンを行い、メニュー表示の仕方の改善をすることも必要だと研究者は述べている。
Study Evaluates Calories, Fat, and Sodium Content in Restaurant Meals(米国医師会 2013年5月13日)
With Fast Food, Consumers Get More than They Expect(ハーバード大学 2013年5月24日)
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