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2012年06月01日

50年を迎えた小児糖尿病サマーキャンプ 半世紀を記念して交流会

キーワード
1型糖尿病
 1型糖尿病の患者を支援する活動をしているつぼみの会が毎年開催している「糖尿病サマーキャンプ」が今年50回目を迎える。
第1回サマーキャンプは1963年開催
つぼみの会の糖尿病サマーキャンプ


 糖尿病には1型と2型があり、10歳未満で発症する糖尿病のほとんどは1型糖尿病で、40歳以上になってから発症することの多い2型糖尿病と発症メカニズムや病態が異なる。原因は自己免疫などで膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンが分泌されなくなること。生命を維持するために一生涯、インスリン注射が毎日必要となる。

 1型糖尿病の小児患者は、血糖と食事や運動、発育や体調などに合わせてインスリン注射を1日に数回行い、血糖値を自己測定することで、よい血糖コントロールを継続することが必要となる。治療で重要なのは、病気に関する正しい情報の入手。そのため、患者は主治医や医療スタッフから詳細に教えてもらう必要がある。

 そこで、小児糖尿病サマーキャンプが、医療スタッフ、同じ病気を持つ友達やボランティアの学生などと集団生活する中で、糖尿病の知識や自己管理を実践的に身につけることを目的として毎年実施されている。

 1型糖尿病は日本では患者数が少ないので、周囲から適切な理解を得られにくく、子どもは幼稚園や学校などで偏見を受けることもある。子ども自身の糖尿病自己管理や自立心を育てる援助が大切となる。そのためにもサマーキャンプは重要な役割を果たしている。

 日本での最初の小児糖尿病サマーキャンプは1963年に開催された。松戸クリニック名誉院長の丸山博先生(当時は東京大学医学部小児科)が、千葉県勝山海岸に幼稚園児から小学生までの8名の小児糖尿病の子どもを集めて行った。

インスリン自己注射など自己管理の大切さを教える
 この第1回目のキャンプがきっかけとなり、翌年に1型糖尿病の患者と家族の会として「つぼみの会」が発足した。第1回キャンプの参加者は、50年以上を経た今日でも多くが元気に暮らしているという。

 「日本でサマーキャンプを最初に開始した丸山博先生に、インスリン自己注射をはじめとする的確な初期治療、献身的な継続治療の大切さを教えていただきました。毎年のサマーキャンプでの教育が、成長後も合併症に対する適切な治療をもたらしています」とつぼみの会代表の神嶋威さんは話す。

 つぼみの会のサマーキャンプは第2回は軽井沢、3回は野辺山で、4〜5回は日本平で開催された。6〜18回までは主に清里で開催され、参加者は50人を超えた。

 1981年からは丸山先生が私財で建設した霊山トレーニングセンター(福島県伊達市)にて開催。霊山は診療所のある専用施設として、2011年まで使用された。

 つぼみの会サマーキャンプは今年50周年を迎える。「丸山先生が始められたサマーキャンプは、小児糖尿病の療育効果の大きさから、現在は全国約50ヵ所で開催され、2010年には1,100人以上の子どもが参加しました。半世紀にわたり1回の休みもなく実施されてきたことは驚異的です。丸山先生はもとより、キャンプを支えてきて下さった多くの人たちのおかげです。小児糖尿病が完治できない限り、サマーキャンプは多くの人の支援を受けながら今後も続いて行くことでしょう」としている。

 霊山トレーニングセンターで行われていたサマーキャンプは、2011年に起きた東日本大震災・原発事故の影響で、施設の使用が困難になった。2012年のサマーキャンプは静岡県御殿場市の富士社会教育センターで開催される予定だ。

 つぼみの会では50周年を記念して、今年10月28日に東京で記念行事を行う。「多くの皆さまが参加することにより、サマーキャンプの歴史や本来の意義・精神をあらためて考え、次へのステップにしたい」と意気込みを語っている。

つぼみの会

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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