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2011年12月14日
ストレス対策と心豊かな食事が体重増加を防ぐ
- キーワード
- 食事療法
年末・年始に宴席や酒席が集中し、食べすぎや高カロリーの食事をとる機会が増える。この時期に体重を増やしてしまうのが心配という人は多い。ストレスを上手にコントロールする方法を覚えると、過食を抑えられるという研究が発表された。その方法とは「なるべく心豊かな食事をとり、ストレスに対処できるよう対策すること」だという。
ストレスが空腹感や満足感、味覚に影響
糖尿病や肥満とは一見関係のなさそうなストレスや精神疲労が、実は内臓脂肪をためる一因になっていることがある。やけ酒とかやけ食いといわれるように、ストレスが強まったときに、むやみに飲んだり食べたりする人は少なくない。
ストレスがたまると、食欲中枢を刺激するホルモンが分泌され、食欲が高まり、肥満をまねき、糖尿病、高血圧、脂質異常を悪化させる要因になる。慢性的なストレスに対処し、規則正しい生活、十分な休養と睡眠、適度な運動を心がけることが大切だ。

Jennifer Daubenmier氏
30分の運動と瞑想でホルモン分泌が整えられる
参加者に毎日の30分の運動に含め、呼吸を整えて行う瞑想に取り組んでもらい、食事ではなるべくよく味わい、心豊かな食事を続けるよう取り組んでもらった。「研究では、食事の管理に含め、空腹感、満腹感、味覚に対する注意を高めるよう指導した」とDaubenmiersaid氏は説明する。
試験の前後の脂肪とコルチゾール(ストレスホルモン)値を測定したところ、トレーニングを実施したグループの女性で、身体意識、慢性的なストレス、コルチゾールの分泌、腹部脂肪があきらかに変化していることが確認された。意識、ストレス、コルチゾールの大きな改善がみられた被験者で、腹の脂肪はより多く減っていた。
コルチゾールなどのホルモンの分泌は生活リズムと関連が深い。生活が不規則になりリズムが崩れると、コルチゾール分泌が乱れるが、ストレスの影響も受けやすい。
「朝起きて1日の予定に思いをめぐらせたときに、それがストレスに満ちたものであると、コルチゾール分泌が促されるおそれがある。研究ではトレーニングを受け満足度が高い女性では、コルチゾールが安定し肥満と体重増加が減る傾向がみられた」とDaubenmier氏は述べている。
カリフォルニア大学の他の研究では、ストレスがたまっている人は、砂糖や脂肪を多く含む高カロリーの食品を好む傾向があることも示された。過食を防ぐために、「なるべく噛む回数を増やし味わって食べることが、食欲を亢進するホルモンの作用を抑える」と述べている。
この研究は医学誌「Journal of Obesity」オンライン版に発表された。
Stress Reduction and Mindful Eating Curb Weight Gain Among Overweight Women(カリフォルニア大学 2011年12月7日)Mindfulness Intervention for Stress Eating to Reduce Cortisol and Abdominal Fat among Overweight and Obese Women: An Exploratory Randomized Controlled Study
Journal of Obesity Volume 2011, Article ID 651936, 13 pages
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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