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2011年12月13日
2型糖尿病患者の抑うつ症が認知症のリスクを増加 早期治療が大切
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- 糖尿病合併症
抑うつ症を発症している糖尿病患者では、そうでない患者に比べ、認知症の発症の危険性が高まることが、米ワシントン大学と大手の医療保険会社であるカイザーパーマネントの共同研究であきらかになった。
この研究は、高齢の糖尿病患者が抱える諸問題に対する解決策をさぐる目的で2万人を対象に実施されている大規模調査「Diabetes Study of Northern California(DISTANCE研究)」の一環として行われた。抑うつ症と糖尿病の関連について調査した研究では過去最大のもので、精神医学誌「Archives of General Psychiatry」オンライン版に発表された。 DISTANCE研究には2万188の成人が参加した。糖尿病患者の19.6%が、臨床的に明白な抑うつ症の基準を満たしていた。「糖尿病と抑うつ症は関連があることが示された。糖尿病患者では抑うつ症の発症が20%近く増える」と研究者らは話す。 「3〜5年の初期スクリーニング調査では、ベースライン時に抑うつ症を発症していた患者は、発症していなかった患者に比べ、認知症の発症が2倍に増えていた」とワシントン大学の精神・行動科学部のWayne Katon氏は話す。 「従来の研究でも、抑うつ症と糖尿病のそれぞれが、認知症の危険因子であることが示されている。両方をあわせもっていると危険性はさらに高まる」とカイザーパーマネントの上級研究者のRachel Whitmer氏は話す。 糖尿病患者に抑うつ症の治療を行うことは、認知症を予防・改善するためにも重要だ。糖尿病の医療と同様に、抑うつ症の治療法も年々進歩している。「抑うつ症をもつ糖尿病患者に初期の段階で治療を行うことで、認知症の発症も抑えることができる」とカイザーパーマネントのAndrew J. Karter氏は説明する。 糖尿病の治療をうまくいかない患者は、抑うつ症の影響を疑ったほうがよいかもしれない。抑うつ症をもつ糖尿病患者は、食事療法や運動療法を続けることが困難になり、喫煙や飲酒などの不健康な生活習慣も増える場合がある。抑うつ症にともなうコルチゾールの増加や自律神経の失調は、血糖コントロールに悪影響をもたらすだけでなく、認知症を引き起こすおそれがある。 この研究は、米国立糖尿病・消化器病・腎疾患研究所(NIDDK)、国立精神衛生研究所(NIMH)による資金提供を受け行われた。 Depression Increases Risk of Dementia in Patients with Type 2 Diabetes(ワシントン大学・カイザーパーマネント 2011年12月5日)
Association of Depression With Increased Risk of Dementia in Patients With Type 2 Diabetes
Arch Gen Psychiatry, Dec 2011; doi:10.1001
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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