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2011年06月28日
GLP-1受容体作動薬 血糖値と体重がコントロールできていると満足度が高い
- キーワード
- 医薬品/インスリン
日本イーライリリーは、2型糖尿病患者の薬物治療のコントロール指標と満足度について、今年5月にインターネット調査を実施した。GLP-1受容体作動薬を使い治療を受けている患者で、治療に対する満足度が高く、服薬の継続度も高いという結果になった。
「インクレチンホルモン」というインスリン分泌を促進するホルモンに着目した新しい作用機序の治療薬が登場し、2型糖尿病の新たな治療選択肢として注目されている。日本イーライリリーは昨年12月に、インクレチン関連薬の注射剤であるGLP-1受容体作動薬「バイエッタ(一般名:エキセナチド)」を発売した。バイエッタは、血糖コントロールを改善するだけでなく、体重減少の効果もある薬剤として期待されている。 調査の対象となったのは、通院し薬物治療を行っている全国の40歳以上の男女312人。今回の調査から、下記のことがあきらかになった――
- 体重が減少した患者は治療満足度と継続率がより高い
GLP-1受容体作動薬を使っている患者は、他の治療群に比べ「体重」を意識している割合が高かった。経口血糖降下薬群(47.7%)、GLP-1受容体作動薬群(59.6%)、インスリン製剤群(42.3%)という結果になった。 体重においても同様の傾向がみられ、薬物治療を始めてから体重が減少した患者は、増加した患者より、治療満足度(それぞれ75.5%と61.0%)と治療継続率(同76.5%と66.2%)が高かった。体重を良好にコントロールできていると治療継続率も高い傾向があり、体重が糖尿病患者のモチベーションをひきだす鍵となっていることがうかがえる結果になった。 - GLP-1受容体作動薬を使用している患者は治療効果を実感、治療も継続
治療に対する満足度が高い場合、その理由として多かったのは「血糖値がコントロールされているから」(70.5%)と「治療の効果を感じるから」(49.5%)。治療に対する満足度は、比較的新しい治療法であるGLP-1受容体作動薬が高かった。 GLP-1受容体作動薬群で「とても満足している」と回答した割合が11.5%と特に高く(経口血糖降下薬群6.2%、インスリン製剤群4.6%)、また服薬の継続についても、「毎日できている」と答えた患者の割合は、GLP-1受容体作動薬群では最多の88.5%だった(経口血糖降下薬群、インスリン製剤群はいずれも67.7%)。
患者さん向け糖尿病情報サイト Diabetes.co.jp
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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