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2011年06月28日

世界の3億5000万人が糖尿病 30年で2倍に 国際研究であきらかに

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 世界の糖尿病の有病者数は、2008年に3億4700万人に達したことが、国際的な研究であきらかになった。糖尿病をもった成人の数は1980年の時点で1億5300万人だったが、2008年に3億4700万に達し、30年でおよそ2倍以上に増えた。糖尿病は世界のほとんどの地域で増えているという。この研究は医学誌「Lancet」に発表された。

 この研究は、英インペリアル・カレッジ・ロンドンのMajid Ezzati氏と米ハーバード公衆衛生大学院のGoodarz Danaei氏らによる国際的な共同研究。

 それによると、世界の糖尿病有病率は、1980年は男性の8.3%、女性の7.5%だったが、2008年には男性の9.8%、女性の9.2%まで上昇した。2009年の調査では糖尿病有病数は2億8500万人だったが、今回の発表はそれを上回っている。増加分の7割は人口増加と加齢が要因だという。

 研究では、世界の25歳以上の成人270万人の血糖値などのデータを統計解析した。空腹時血糖値(FPG)が100.8mg/dL(5.6mmol/L)未満を正常型、126mg/dL(7mmol/L)以上を糖尿病型、100.8〜126mg/dL(5.6〜7mmol/L)を糖尿病前症(pre-diabetes)と判定した。

 主な内容は次の通り――

  • 世界で糖尿病とともに生きる人の数は3億4700万人。うち1億3800万人は中国とインドに集中し、3600万人は米国とロシアにいる。

  • 世界でもっとも糖尿病が急増したのは太平洋の島しょ国。マーシャル諸島では、女性の3人に1人、男性の4人に1人が糖尿病。南アジア、中南米、カリブ海、中央アジア、北アフリカ、中東でも、糖尿病と耐糖能異常は増加している。

  • 先進国で糖尿病がもっとも増えたのは北米。米国、グリーンランド、マルタ共和国、ニュージーランド、スペインでは有病率が高い。逆に、西欧州では比較的増えておらず、オランダ、オーストリア、フランスでは最低だった。

  • 世界でもっとも糖尿病の少ない地域はアフリカ南部、南東アジア。

 糖尿病や耐糖能異常は、心臓病や脳卒中、腎症、神経障害、失明などの原因となる。世界で糖尿病が原因で亡くなる人の数は年間300万人以上に上る。

 「糖尿病が世界中でありふれた病気になったことが示された。高血圧や高コレステロールも増えているが、糖尿病は予防や治療がより難しい」とEzzati氏は話す。

 「糖尿病による経済的な負担は今後ますます増えていく。糖尿病や耐糖能異常を早期に発見し、食事や運動を中心とした生活習慣の改善を支援するプログラムを開発する必要がある」とDanaei氏は述べている。

 この国際研究は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団と世界保健機関(WHO)から資金提供を受け行われた。

Nearly 350 million adults have diabetes: Study reveals scale of global epidemic(ハーバード大学 2011年6月25日)
National, regional, and global trends in fasting plasma glucose and diabetes prevalence since 1980: systematic analysis of health examination surveys and epidemiological studies with 370 country-years and 2.7 million participants.
The Lancet, published online 25 June 2011. DOI:10.1016/S0140-6736(11)60679-X

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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