ニュース
2011年12月21日
年末・年始の食事で失敗しないコツ 上手に乗り切るための10ヵ条
- キーワード
- 食事療法
年末・年始に血糖コントロールで失敗する人が少なくない。忘年会やクリスマス、正月休みなどの年末年始の行事が続き、食事でエネルギーをとりすぎてしまうこと、お酒の飲みすぎ、寒い時季なので運動量が減ることなどが原因となる。


キャベツのスープ煮
キャベツを白ワイン、塩・こしょう、コンソメで味付けしたスープで煮る。キャベツの甘みを楽しめ、食物繊維もたっぷりとれる。

ブロッコリーの酢醤油和え
ブロッコリーを熱湯でゆでて、酢醤油で和える。


年末・年始の食事で失敗しないコツ
- 時間を決めて3食を食べる。だらだら食べ続けないようにする。
- パーティや宴会で出される料理や外食料理は、高カロリーで脂肪と炭水化物が多いものが多く、野菜は少ない。
- 料理は大皿でとらずに、1人分を盛り付ける。
- 指示エネルギー量に合わせて食べ、食べすぎてしまいそうになったら残す。
- 単品の料理をとると栄養バランスが偏りがち。メニューの品数を増やし、野菜料理を一品加える。油を使った料理は少量にする。
- テーブルにみかんやお菓子などをなるべく置かない。
よく噛むことで食欲をコントロールできる
よく噛むことは食欲にも影響する。「噛むという行為」により脳中の食欲に関連するホルモンの作用が刺激され、満腹感を得やすくなるという報告がある。
昔から「食事のときは咀嚼回数を増やした方が良い」と言われてきたが、よく噛むことで、直接満腹感が高められ良好な効果が出てくることが、さまざまな研究で確かめられている。
冬の鍋料理は栄養面でも優れている
鍋料理は豆腐、魚、肉など、いろいろな食材を使ったものがあり、味付けも多彩にある。これに野菜類を加えれば、蛋白質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよくとることができる。野菜をたっぷり入れ、きのこ、こんにゃく、昆布などを使った鍋料理を、ふうふういいながら食べるのは、寒い冬には堪えられない。
鍋料理は短い時間で調理でき、大勢で食べても、1人や2人で食べても楽しめる。水と昆布で野菜などを煮る「常夜鍋」は、いたって簡単に作れる。小ぶりの土鍋に昆布を引き、醤油で薄味にして(あれば日本酒を加える)、ほうれん草や小松菜、白菜と、豚肉の薄切りを交互にゆでながら、ゆったりとした時間を楽しめる。
ポン酢や小ネギ、ショウガなどの薬味を添えると、さらにおいしくなる。ゆでた野菜は生よりもたくさん食べられ、薄切りの豚肉は良質の蛋白質とビタミンBを含んでいる。
アルコール飲料と糖尿病の関係
お酒には「適量を守れば、ストレス解消になる」「コミュニケーションをはかる上での潤滑油としての役割がある」という利点もある。しかしアルコール飲料には、糖尿病の治療や糖尿病合併症の予防上、さまざまな面で悪影響がある。飲酒についてかかりつけの医師や栄養士に相談し、できるだけ禁酒することが望ましい。
アルコールには、体に必要な炭水化物や脂肪、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれないが、1gに約7kcalのエネルギーがある。飲酒により、脂肪の代謝が悪くなったり、中性脂肪値が高くなるおそれがある。摂取エネルギー量が増え、血糖コントロールの悪化にもつながる。
お酒を飲むときの注意点
- 適量を守る
ご飯1杯分(160〜200kcal)程度であれば、悪影響を最小に抑えることができる。ビールや発泡酒では中瓶1本(500ml)、日本酒では1合(180ml)、焼酎のお湯割りでは2杯(200ml)、ワインでは2杯(240ml)、ウィスキーではシングル2杯(60ml)までが無難な量。 - 空腹で飲まない
食べながらゆっくり飲むことで、アルコールの吸収もゆっくりになる。ただし、アルコールには食欲を増大させたり、消化能力を高める作用もあり、つまみで指示エネルギー量を超えてしまうおそれがあるので注意が必要。脂肪の少ない主菜、ビタミンやミネラルの豊富な副菜を組み合わせるのがお勧め。 - 自分がどれだけ飲んだか把握しておく
血中アルコール濃度が0.02%から0.04%であると爽快な気分になる。缶ビールを1本飲むとそれくらいになる。それ以上になると抑制がとれ、飲みすぎ、食べすぎにつながりやすい。「心が酔ったところで、さっと切り上げる」のがお酒に飲まれないコツ。 - 宴席や付き合いで飲むときは、ノンアルコールビール(ビールテイスト飲料)を利用する方法も
見た目も味もビールそっくりの「ノンアルコールビール」が、各ビール会社から発売され、入手しやすくなっている。ただし、実際にはアルコールが0.1〜0.5%と微量ながら含まれている商品もあるので注意が必要。 - 低血糖になることがある
血糖降下剤やインスリンで治療をしている人はアルコール飲料を飲むと、低血糖になることがあるので、特に注意が必要。
「野菜はいくら食べても大丈夫」は間違い?
煮物によく使われるジャガイモ、さと芋などのいも類、ニンジン、レンコンなどの根菜、カボチャは、野菜の中では比較的、炭水化物が多い。煮物の調理では砂糖やみりんも使うので、たくさん食べると炭水化物をとりすぎてしまうことがある。
油分を含むドレッシングをたくさんかけたサラダ、ポテトサラダ、マカロニサラダなども、エネルギーや炭水化物が多いので、注意が必要。海藻やきのこ類をふんだんに使った海藻サラダ、海鮮サラダ、豆腐とちりめんじゃこのサラダなどであると、エネルギーを抑えられる。
- 炭水化物の多い野菜(食べる量が多いときには注意)
そら豆、ゆりね、カボチャ、グリンピース、トウモロコシ、レンコン
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
食事療法の関連記事
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮
- ニンジンやカボチャが血糖値の上昇を抑制 糖尿病の人が食べたい野菜 どう食べると良い?
- 良い睡眠は糖尿病リスクを減らす 睡眠は「魔法の薬」 3つの方法で改善
- 糖質の多い甘い飲料が糖尿病や心臓病のリスクを上昇 高カロリーの飲み物を減らす2つの方法
- 糖尿病が認知症リスクを高める 野菜を食べている人は認知症リスクが低い 中年期の生活改善によりリスク低下
- 糖尿病の人は大腸がんリスクが高い 大腸がんは50歳未満の若い人でも増加 予防に役立つ3つの食品とは?
- 大豆を食べると糖尿病リスクが低下 心臓病や脳卒中も減少 大豆タンパクは腸内細菌にも良い
- 早い時間に食事をとると糖尿病リスクは減少 「何を食べるか」だけでなく「いつ食べるか」も重要
- 糖尿病ネットワーク【1年間に多く読まれたニュース トップ10】
- 年末年始は糖尿病の管理が難しい? 連休を上手に乗り切るための「8つのヒント」