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2010年11月15日

2010年世界糖尿病デー 青く輝く東京タワー「ブルーライトアップ」

 「世界糖尿病デー」の11月14日、東京タワーなど世界各地でブルーライトアップや啓発イベントが実施された。
糖尿病に光をあてよう
 毎年11月14日に開催される世界糖尿病デーは、糖尿病が社会にとって大きな脅威になっているのを受け、国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)により1991年に開始され、2006年の国連決議により公式の国連デーとなった。

 今年の世界糖尿病デーにも、日本では世界糖尿病デー実行委員会が中心となり、全国各地でブルーライトアップやイベントが実施された。

 世界糖尿病デーには、糖尿病の世界共通シンボルであるブルーサークルが掲げられ、世界の名所や建造物がブルーにライトアップされた。キャンペーンの目的は、糖尿病に対する注意を促し、社会的な関心を高め、治療や予防を促進すること。

世界糖尿病デー ライトアップされる東京タワー
世界糖尿病デー 東京タワー
世界糖尿病デー 東京タワー
 日本だけでなく、世界のさまざまな国や地域で、ブルーライトアップが実施された。南アフリカのテーブルマウンテン、ブラジルのコルコバードのキリスト像、ドイツのブランデンブルク門、カナダのナイアガラの滝など、60ヵ国以上500ヵ所以上の有名な建物がライトアップされた。  ライトアップにあわせて、糖尿病をコントロールするために、健康的なライフスタイルの重要さを呼びかける講演やウォーキング大会、無料で受けられる検査、運動教室などが開催された。

都内で開催された糖尿病講演会、
ウォーキング大会、啓発イベント
世界糖尿病デー
 2型糖尿病は初期には自覚症状があまりないので「サイレント・キラー」ともいわれている。早くから治療を始めることが大切だが、実際には診断や治療の開始が遅れるケースは多い。医療機関での初診時に、すでに糖尿病合併症があらわれている患者は少なくない。

 糖尿病の脅威は世界中で拡大している。IDFによると2010年現在、糖尿病は世界の3億人以上の健康をおびやかしている。糖尿病の経済的負担は少なくとも3760億米ドル(約32兆円)に上り、これは世界の医療関連支出の11.6%に相当する。

 糖尿病でもっとも多い2型糖尿病の危険性のある人の数は世界で3.44億人に上る。有効な対策を施さないと、2030年までに糖尿病患者数は4.38億人に増え、経済的な支出は4900億米ドル(約41兆円)以上に増加するとIDFは予測している。

 糖尿病を予防・改善するために、食習慣を健康的に改善し、日常生活で体を動かしたり、長時間座らないなど身体活動量を増やすことが有用だ。IDFは、世界糖尿病デーに合わせて「ブルー・サークル・テスト」というインターネットで利用できるソフトを開発した。テストでは、1人ひとりの2型糖尿病の危険因子が示され、予防・改善するために何をすれば良いかを簡便に知ることができる。

ブルー・サークル・テスト(英語)
worlddiabetesday.org/bluecircletest
 また、IDFは「糖尿病ロードマップ(Diabetes Roadmap)」という医療スタッフ向けのワーク・プログラムをとりまとめた。このマップにより、世界中の数億人に上る糖尿病患者を改善するための検討、エビデンス、ソリューションを世界中で共有できるようになる。

 世界でもっとも糖尿病人口が拡大している中国では、世界糖尿病デーに「糖尿病に対し呼びかけて行動しよう(Call to Action on Diabetes)」というツールが発表された。中国の糖尿病有病数は、成人の10人に1人にあたる9240万人。ツールは、国連会議の主導のもと、世界の糖尿病に関わる医療スタッフが参加し情報を共有するために使用される。

 「いまこそ、糖尿病に対して行動を開始するときだ。世界糖尿病デーに、文字通り糖尿病に対して光が当てられる。世界糖尿病デーをきっかけに、私たちは世界のどこにいるかに関わらず、世界規模で糖尿病対策をより強力に推進していきたい」とIDF理事長のJean Claude Mbanya博士は述べている。

世界糖尿病デー 公式ホームページ[世界糖尿病デーイベント実行委員会]
世界糖尿病デー グローバルサイト(英語)
ビック・ブルー・テスト(英語)
世界糖尿病デーのビデオ集(YouTube)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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