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2010年07月13日
「経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン」を公表 厚労省
厚生労働省は9日、「経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン」を公表、各都道府県に同日付で送付した。このガイドラインは、経口血糖降下薬の承認申請 の目的で実施される臨床試験における評価の標準的方法をとりまとめたもので、2012年7月1日より適用となる。なお、今回のガイドラインの適用は経口血糖降下薬についてであり、インスリン製剤などの薬剤は適用の範囲には含まれてない。
長期投与と併用療法の安全性の評価を重視
経口血糖降下薬は、長期間継続して投与されることが多く、また、作用機序の異なる2剤以上を併用することが多いので、安全の評価に十分な配慮が必要となる。そのため今回のガイドラインでは、第3相試験に「併用療法長期投与試験(非盲検併用療法長期投与試験)」が盛り込まれ、医療現場で併用が想定される組み合わせについて、非盲検併用長期投与試験を実施することを求めている。
これにより治験薬と市販されている他の経口血糖降下薬を長期間併用した場合の安全性と有効性を評価。1年間以上の50〜100例のデータを収集することを推奨している。低血糖のリスクが他の経口血糖降下薬より高いと考えられる薬剤との併用については、薬物相互作用試験を実施、1年間投与した100例のデータを収集することが望ましいとした。
厚労省は、同ガイドラインに関する質疑応答集(Q&A)も都道府県に同日付で送付した。この中で、医療の現場で併用が想定される被併用薬群の組み合わせについては、現時点では、SU薬、グリニド薬、ビグアナイド薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、チアゾリジン薬、DPP-4阻害薬などが考えられるとし、「今後の状況により、適宜判断してもらいたい」としている。また、被併用薬群ごとに安全と有効性を適切に評価できるよう、薬剤の種類は2〜3種類が望ましいとした。
適正使用のための情報を得るための製造販売後調査も推奨している。特に経口血糖降下薬の使用は長期間にわたることが多いので、低血糖などの安全性情報や相互作用情報などについて「少なくとも1年間以上にわたる投与経験によって調査結果を得るように努力すべき」としている。さらに、新規の経口血糖降下薬の効能・効果については、添付文書への記載について、「経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン」に関する質疑応答集(Q&A)について(平成22年7月9日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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