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2010年07月20日
くるみ(ナッツ)は「健康の味方」毎日の食生活に上手にとりいれたい食品
- キーワード
- 糖尿病の食事指導 [間食] 食事療法

- 不飽和脂肪酸を含むさまざまな脂肪がバランス良く含まれている。
- 動脈硬化の予防効果を期待できるαリノレン酸などのオメガ-3脂肪酸(n-3系脂肪酸)や、アルギニンも含まれる。
- コレステロールに低下に役立つ食物繊維が豊富に含まれている。食物繊維は2型糖尿病患者の食事でも有用。
- 心臓病の発症予防に役立つとされるビタミンEも豊富。
- 植物性食品に含まれるフィトケミカルである植物ステロールがふくまれる。
日本人が摂取する不飽和脂肪酸の多くを占める「オレイン酸」はオリーブ油などに含まれる。不飽和脂肪酸は体内で、悪玉とされるLDL コレステロールや中性脂肪を増加させず、善玉とされるHDL コレステロールを増やす働きをする。オレイン酸の他にも、ごま油などに多く含まれる「リノール酸」、エゴマ油や大豆油に多く含まれる「αリノレン酸」などがある。
上記の食用油に加えて、最近は栄養機能を強調した食用油なども入手しやすくなってきた。しかし、いろいろな油をバランス良くとるのは、実際にやってみるとなかなか難しいも
そんなときに、いろいろな栄養素がバランス良く含まれるくるみなどのナッツ類は、上手に利用すると強力な「健康の味方」になってくれる。くるみは安心して利用できる優良な自然食品。脂質のバランスを整えるためにも、勧められている食品だ。
米国でも奨励
そのため、米国保健福祉省(HHS)などが策定した「米国人のための食生活指針(Dietary guidelines for Americans)」では、くるみ(ナッツ)を不飽和脂肪酸が豊富に含まれる健康的な食品として、野菜や果物、全粒粉とともに摂取することを勧めている。*2
そこでは、くるみなどのナッツが不飽和脂肪酸を多く含み、低コレステロールであることを強調し、「大切な栄養素を含み、手頃に利用できる代表的な食品」としている。食事全体のカロリーを増やさずに、1日1.5オンス(約42g)程度のナッツを摂取すると、悪玉コレステロールを低下させ血中脂質を改善し、心臓病の危険性を減らすことを示した研究を紹介している。
米国でももっとも優れた病院のひとつに数えられるメイヨー・クリニック(ミネソタ州)でも、「バランスの良い健康的な食事にナッツをとりいれることで、心臓病の危険性を減らせる」と、ホームページで紹介してい
また、お酒のおつまみにナッツを利用すると、アルコールの飲みすぎ・食べすぎにつながりやすいので注意が必要だ。おつまみとして売られているナッツには、ナトリウムを添加してあるものもあり、食塩のとりすぎにつながる。ナッツは、飲む前に少し食べる、塩分のないものにするなど量や種類、食べるタイミングなどを考えて、上手に利用したい。
「カリフォルニアくるみ協会」では、くるみの上手な利用の仕方、くるみの健康効果や栄養素、くるみを使った和食・洋食のレシピ集などを、画像やイラスト入りで分かりやすく解説している。7月22日は「ナッツの日」でもあるので、この機会に試してみてはいかがだろうか。
- Effect of diets enriched in almonds on insulin action and serum lipids in adults with normal glucose tolerance or type 2 diabetes
American Society for Clinical Nutrition, 76: 1000-1006, 2002 - Dietary guidelines for Americans(米国保健福祉省)
- Nuts and your heart: Eating nuts for heart health(メイヨークリニック)
- 日本人の摂取基準(厚生労働省)
- ナッツの日(日本ナッツ協会)
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