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2010年07月20日
くるみ(ナッツ)は「健康の味方」毎日の食生活に上手にとりいれたい食品
- キーワード
- 糖尿病の食事指導 [間食] 食事療法
食品に含まれる脂肪は、肉や乳製品からとる動物性と、ナッツや果実などからとる植物性に大別される。最近注目されているのが、ナッツなど植物性食品に含まれる「不飽和脂肪酸」。
体の悪玉コレステロールを低下させ動脈硬化を予防
脂肪は、肉や乳製品からとる動物性のものも、ナッツや果実などからとる植物性のものも、主に脂肪酸という成分で構成される。その結合の種類によって飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分類される。どちらも体にとって必要な栄養素で、生活習慣病の
くるみは健康的な自然食品 毎日の食事で利用したい
脂肪をとりすぎる食生活を続けていると、動脈硬化を誘因し、心筋梗塞などの病気が起こりやすくなる。しかし、忘れてはいけないのは、脂肪は炭水化物や蛋白質に並び、健康を維持するために必ず必要な栄養素であること。1日の摂取カロリーの25-30%を脂肪からとることが勧められている。油のとりすぎは禁物だが、「太る原因になる」と敬遠せずに、適量をおいしく楽しく、バランス良くとることが大切。
日本人が摂取する不飽和脂肪酸の多くを占める「オレイン酸」はオリーブ油などに含まれる。不飽和脂肪酸は体内で、悪玉とされるLDL コレステロールや中性脂肪を増加させず、善玉とされるHDL コレステロールを増やす働きをする。オレイン酸の他にも、ごま油などに多く含まれる「リノール酸」、エゴマ油や大豆油に多く含まれる「αリノレン酸」などがある。
上記の食用油に加えて、最近は栄養機能を強調した食用油なども入手しやすくなってきた。しかし、いろいろな油をバランス良くとるのは、実際にやってみるとなかなか難しいも- 不飽和脂肪酸を含むさまざまな脂肪がバランス良く含まれている。
- 動脈硬化の予防効果を期待できるαリノレン酸などのオメガ-3脂肪酸(n-3系脂肪酸)や、アルギニンも含まれる。
- コレステロールに低下に役立つ食物繊維が豊富に含まれている。食物繊維は2型糖尿病患者の食事でも有用。
- 心臓病の発症予防に役立つとされるビタミンEも豊富。
- 植物性食品に含まれるフィトケミカルである植物ステロールがふくまれる。
くるみ(ナッツ)は健康的な自然食品
米国でも奨励
肥満のある人が不飽和脂肪酸を多くとると、肉や乳製品の飽和脂肪酸や炭水化物を多くとった人に比べ、血糖を下げるインスリンの作用を受ける細胞の感受性が悪くなる「インスリン抵抗性」が改善し、動脈硬化の予防につながると、世界のさまざまな研究で報告されてい米国でも奨励
ナッツは自然からの贈りもの 7月22日はナッツの日
ナッツに体に良い脂肪酸が多く含まれるからといって、脂肪そのものは高カロリーなので、とりすぎると過体重や肥満になるおそれがある。脂肪からとるカロリーを、1日にとる総カロリーの25-30%未満にコントロールすることが勧められている。
また、お酒のおつまみにナッツを利用すると、アルコールの飲みすぎ・食べすぎにつながりやすいので注意が必要だ。おつまみとして売られているナッツには、ナトリウムを添加してあるものもあり、食塩のとりすぎにつながる。ナッツは、飲む前に少し食べる、塩分のないものにするなど量や種類、食べるタイミングなどを考えて、上手に利用したい。
カリフォルニアくるみ協会
「カリフォルニアくるみ協会」では、くるみの上手な利用の仕方、くるみの健康効果や栄養素、くるみを使った和食・洋食のレシピ集などを、画像やイラスト入りで分かりやすく解説している。7月22日は「ナッツの日」でもあるので、この機会に試してみてはいかがだろうか。
- Effect of diets enriched in almonds on insulin action and serum lipids in adults with normal glucose tolerance or type 2 diabetes
American Society for Clinical Nutrition, 76: 1000-1006, 2002 - Dietary guidelines for Americans(米国保健福祉省)
- Nuts and your heart: Eating nuts for heart health(メイヨークリニック)
- 日本人の摂取基準(厚生労働省)
- ナッツの日(日本ナッツ協会)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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