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2010年07月23日

日本の医療は世界トップレベル「OECDヘルスデータ2010」

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 経済開発協力機構(OECD)は6月に、加入国の保健医療の現状や支出などに関する統計をまとめた「OECDヘルスデータ2010」を公表した。

 「OECDヘルスデータ2010」の日本に関する主な内容は以下の通り。

  • 日本の平均寿命は世界でトップ
     日本の平均寿命は82.7歳でOECD諸国の中でもっとも高い(2008年)。その要因は男女ともに循環器病の死亡率が低く抑えられているから。日本以外に平均寿命が81年を超えたのはスイス、オーストラリア、イタリア、アイスランド。

  • 肥満が少ない日本
     BMI(体格指数)が30以上の肥満の割合は日本では3.4%。肥満はこの10年間にOECDに加盟するほぼすべての国で増加し、OECD平均は21.0%(2008年)。もっとも肥満率が高い米国は33.8%。

  • 先端医療機材の普及:CTとMRIの台数は群を抜いて多い
     コンピューター断層撮影装置(CT)の人口100万の当たりの設置台数はOECD平均が23.8だったのに対し日本は97.3で4倍も多い。また、磁気共鳴画像診断装置(MRI)はOECD平均が12.6だったのに対し日本は43.1(2008年)。医療の進歩により診断と治療が改善する。OECD諸国で1人当たりのMRI台数は2000〜08年に2倍に、CT台数は1.3倍に増えた。

  • 国内総生産(GDP)に占める保健医療支出の割合:日本は8.1%
     OECD諸国の保健医療支出のGDP比の平均は2000年は7.8%だったが、2008年には9.0%へと上昇。日本は8.1%(2007年)で、OECD平均より1ポイント近く下回った。もっとも高かったのは米国(16.0%)、次いでフランス(11.2%)、スイス(10.7%)、ドイツ(10.5%)と続く。

  • 日本の保健医療支出の伸びはOECD平均の半分
     日本の国民1人当たりの保健医療支出は2729ドル(約23.6万円)で、OECD平均の3060ドル(約26.5万円)を下回った。米国は保健医療費がもっとも多く、1人当たり7538ドル(約65.3万円)。また、保健医療支出の増加率は、日本は2.2%(2000〜2007年)で、OECD平均の4.2%(2000〜2008年)を下回っている。

  • 喫煙率はまだまだ高い
     日本の喫煙習慣のある人の割合は26%(2008年)で、OECD平均の23%よりも高い。特に男性の喫煙率は40%で、ギリシアに次いで高い。喫煙は健康に深刻な悪影響をもたらすので、多くのOECD諸国で禁煙の推進に力を入れている。スウェーデン、アメリカ、オーストラリア、カナダは、成人の喫煙率を18%以下に引き下げた。

 その他にも、人口1000人当たりの「医師数は2.2人(OECD平均は3.2人)」「看護師数は9.5人、OECD平均は9.0人」「救急病床数は8.1で、OECD平均の3.6の2倍以上」などが示された。

効果的な保健政策が必要
 「OECDヘルスデータ2010」で強調されたのは、OECDに加盟するほとんどの国で保健医療支出の増加が政府予算を圧迫しており、効果的な保健政策が求められていること。

 保健医療支出はOECD諸国のほとんどで経済成長を上回るペースで増加しており、保健医療支出のGDP比は平均で2000年の7.8%から2008年の9.0%へと上昇した。景気後退によるGDPの減少と保健医療コストの上昇で、保健医療支出のGDP比が急増した国も多い。

 OECD諸国では、国民の保健医療費のかなりの割合を政府が負担している。政府支出に占める保健医療費の割合はほとんどの国で増加し、2008年には過去最高の16%に上昇した。

 OECDの公表した報告書では、「財政赤字削減が各国政府の急務となっていることから、OECD諸国では、保健医療制度を維持しながら、保健医療への公的支出の伸びを抑制したり、政府の支出の削減、あるいは増税といった難しい選択を強いられている」と述べている。

OECD Health Data 2010: Statistics and Indicators
OECD Health Data 2010

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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