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2010年04月28日

低糖質で“おいしいパン”を食べてもらいたい 低糖工房

 「低糖質」「糖質カット」といった表示をした食品を見かけることが多くなった。最近では主食(主に炭水化物を含む食品)であるパンでも、低糖質の商品が出ている。食物繊維や吸収の遅い糖質を含む食品は糖の吸収をおだやかにするので、食後高血糖の改善につながると注目されている。

低糖質ロールパン
小麦ふすまや大豆粉を使用し、100gあたりの糖質を5g未満に抑えた。食物繊維が豊富に含まれる。
 健康増進法に基づく栄養表示基準では、100g当りで糖類5g未満であれば「低」「オフ」「ひかえめ」といった表示できる。低糖質のパンは普通のパンと比べ、どこが違うのだろうか。

 通常のコッペパンでは、100gあたり50g前後の糖質が含まれる。「低糖質ロールパン」は、100gあたりの糖質が4.9g(1個50gでは2.4g)で、糖質を90%以上カットしてある。また、100g当り204kcal(1個50gでは102kcal)と通常の食パンに比べカロリーを抑えてある。

 実際に食べてみると、上質のパンを味わうのと同じ、しっとりとした食感やみずみずしい味・香りを楽しむことができる。糖類や澱粉を使わず低糖質に作ってあるだけでなく、小麦ふすまや大豆粉などを使用し食物繊維を豊富に含んでいるからだ。

 カロリーを抑え、低糖質であるのに、なぜおいしいパンを作れるのか。同社の創業は明治40年。マーガリン、冷凍パイ生地、冷凍デザートなど料理や製菓の業務用製品を数多く手掛けていたが、一般向けの販売は比較的最近になってからはじめた。

 日本で初めてマーガリンを製造をするなど、これまでパンや菓子の製造で高い評価を得ており、もともと品質や味には定評がある。今回は素材選びからこだわり、試行錯誤を重ねた結果、「低糖質ロールパン」や「低糖質マドレーヌ」などの製品群を作り上げた。

 同社の企画部新規事業課の土橋さんは「低糖質という利便性を追求したが、おいしさを犠牲にしたくなかった。100年以上蓄積してきたノウハウと技術をいかし、独自の製法で自然なおいしさに仕上げた。糖尿病の方をはじめ、どんな人にもおいしく食べてもらえる」と胸を張る。

 同社は4月に通販サイト「低糖工房」をオープンした。インターネットで注文すると全国に配送してくれる。

食後高血糖に注意
 2型糖尿病や境界型(糖尿病予備群)の人で、インスリンの基礎分泌はある程度保たれているため空腹時血糖値は正常近くにコントロールされていても、インスリンの追加分泌が不足していたり、血糖値上昇に対する反応が鈍くて追加分泌のタイミングが遅れると、食後の血糖値が高い「食後高血糖」になる。
 食後高血糖は、動脈硬化を進める原因のひとつとなる。国際的な指針では、食後2時間の血糖値が140mg/dLを上回る場合を「食後高血糖」としている。
 食後高血糖を改善するために重要なポイントとなるのは食事療法。特に糖質(炭水化物)のとり方は大切で、食物繊維が多く含まれていたり、吸収が遅い糖質が含まれる食品をとると、食後に血糖値の上昇がゆるやかになり、食後高血糖を抑えられる。
 糖尿病と診断されなくとも糖尿病が正常よりも高い「耐糖能異常(IGT)」という状態から、動脈硬化はすでに進行している場合が多い。健診などで自分の体の状態を知り、早めに対策することが大切。



低糖工房(リボン食品(株))
連絡先:リボン食品(株)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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