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2008年10月29日
ADA/EASD:2型糖尿病の治療ガイドラインを改訂 初期治療で生活習慣改善とメトホルミンを推奨
米国糖尿病学会(ADA)と欧州糖尿病研究学会(EASD)のコンセンサスに基づく、段階的な治療(アルゴリズム)を骨子とする2型糖尿病治療法の改訂ガイドラインが発表された。この改訂ガイドラインはADAが発行する「Diabetes Care」オンライン版に10月22日に掲載された。
ガイドライン(治療アルゴリズム)では、新たに2型糖尿病と診断された患者の初期治療(initial treatment)として、▽過去2〜3ヵ月の平均血糖値であるA1C(グリコヘモグロビン)値をA1C7%未満にコントロール、▽生活習慣の改善(減量と身体活動の増加)とメトホルミンによる初期治療、▽目標血糖値を達成・維持できない場合は、迅速に薬物投与を追加し、新たな療法へ移行する、▽目標値を達成できない患者には、早期にインスリン療法を追加する―
この段階の介入は、目標とする血糖値の達成に向けて、有効性と費用対効果のもっとも高い治療戦略であり、2型糖尿病患者の大部分に対し望ましい治療経路となる。まず生活習慣改善(食事療法・運動療法)とメトホルミンによる薬物療法を行い、この治療で目標A1C値を達成できなければ、これまでにも高い評価を得ている、患者の病態に合わせて基礎インスリン製剤またはスルホニル尿素(SU)薬の追加する。
第2段階(Tier 2):十分には検証されていない治療法(less well-validated therapies)
十分な効果が得られない場合は、患者の病態に合わせて、必要に応じて強化インスリン療法に移行する。この段階の介入では、特定の患者には適切な治療オプションとして示しているが、臨床経験が不十分 なことや安全上の注意が必要なことから第2段階としてグループ化さた。インスリン抵抗性改善薬(ピオグリタゾンやロシグリタゾン)や、インクレチン関連薬であるGLP-1アゴニスト(エクセナチド)はこのグループに属している。
インスリンは、血糖値を低下させるもっとも効果的な治療として挙げられており、目標値に達しない患者へのインスリン治療の早期追加の必要性を強調している。これは、HbA1cが8.5%を超える患者にとって特に重要。すべての治療法の移行は通常3ヵ月の間隔をおいて実施し、目標血糖値に迅速に近づけ、それを維持することを目標にしている。
ガイドライン作成委員会のDavid M. Nathan氏は、ADAのニュースリリースで「血糖コントロールの改善は、失明、腎不全、下肢切断といった長期的な糖尿病合併症を予防するために重要だ。我々は討議を重ねた結果、エビデンス(科学的根拠)に支持された、安全性と効果の高い治療法を選択した。低血糖症が懸念される場合、第2段階で提示した薬物療法は重要だが、これらの薬剤の有効性はまだ十分には検証されていない」と述べていADA/EASD 2型糖尿病のコンセンサスステートメント─日本ではどう考えるべきか─(糖尿病情報BOX&Net. No.14)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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