ニュース
2018年05月17日
敗血症性AKIにおける急性腎障害マーカー L-FABPの可能性
- キーワード
- 糖尿病の検査(HbA1c 他) 糖尿病合併症
Discussion ―フロアとの質疑応答―
―― NGALとL-FABPの保険適用について教えてください。
野入先生 NGALはAKIに対して3回まで算定できます※。L-FABPは腎障害が疑われる時点で使えるので、AKIに限らず糖尿病性腎症のようなCKDでも使えます。CKDでは3カ月に1回算定でき、AKIではNGALに準じますが、症状詳記によりそれ以上認められることもあります。小室先生のご講演にNGALとL-FABPを併用するお話がありましたが、保険診療で算定できるのは一方のみですので、DPC病院ならともかく、そうでない場合は難しいかもしれません。
―― L-FABPの定量を外注すると何日ぐらいで帰ってくるのでしょうか?
野入先生 受託業者によるのですが、1~3日だと思います。ただしL-FABPには複数の測定系があり、院内の一般的な汎用自動分析装置で測定できる系(積水メディカル製)もあります。
※NGALの算定条件:急性腎障害の診断時又はその治療中に、CLIA法により測定した場合に算定できる。ただし、診断時においては1回、その後は急性腎障害に対する一連の治療につき3回を限度として 算定する。なお、医学的必要性からそれ以上算定する場合においては、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
参考文献
1) J Am Coll Cardiol 59:246-255,2012
2) Crit Care Med 43:e269-275,2015
3) Crit Care Med 42:878-885,2014
4) Kidney Int 73:465-472,2008
5) Am J Kidney Dis 47:439-444,2006
6) Kidney Int 73:465-472,2008
7) Biomarkers 18:95-101,2013
8) Shock 31:454-459,2009
初 出
第45回 日本集中治療医学会 学術集会 教育セミナー23第10会場
(幕張メッセ国際会議場 1F 105)
演題:敗血症性AKIにおける急性腎障害マーカー L-FABPの可能性
司会:東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 野入 英世 先生
演者:医療法人沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院 麻酔科・集中治療部
(現在:自治医科大学附属さいたま医療センター 集中治療部) 小室 哲也 先生
共催:積水メディカル株式会社、シミックホールディングス株式会社
糖尿病の検査(HbA1c 他)の関連記事
- 糖尿病の人の熱中症を防ぐための10ヵ条 猛暑は血糖管理を悪化させる? 十分な対策を
- 減塩食が糖尿病の合併症リスクを低下 塩分を減らすと血圧を下げられる 【おいしく減塩する方法】
- 糖尿病と肥満のある人が体重を減らすとお得がいっぱい たとえ減量に失敗してもメリットが 食事日記をつければ成功率は2倍に
- 肥満のある人が体重を減らすと糖尿病リスクは大幅減少 中年期の体重管理は効果が高い 血糖値を下げる薬を止められる人も
- 糖尿病の合併症を防ぐために「高血糖」と「高血圧」の治療が必要 高血圧があるとリスクは3倍に上昇
- 【笑いが糖尿病を改善】 お笑いライブ鑑賞でストレスが減り楽観性が向上 「笑いヨガ」の効果
- 糖尿病の人は歯を失いやすい 血糖管理が良好だと歯も丈夫に 糖尿病の治療と歯科受診が大切
- 腎臓病は糖尿病の人が発症しやすい合併症 腎臓病の治療は進歩している 透析にならないために
- 糖尿病と高血圧があると腎臓病リスクが上昇 運動時間をわずか5分増やすだけで血圧は低下【高血圧の日】
- 糖尿病とインスリンの関係 ホルモンを元気にする10の方法 【世界ホルモンデー】

医療・健康情報グループ検索