ニュース

2012年11月30日

インスリンは低温に弱い 冬場の保管方法

 インスリンやGLP-1受容体作動薬は、持ち歩くことを想定して品質の安定がはかられているが、基本的にタンパク質なので熱による変性が起こりやすい。タンパク質は高温でも低温でも変性するので、寒い冬にも注意が必要となる。
インスリンやGLP-1受容体作動薬を凍らせない
 一度凍らせた製剤は、作用する時間が変わるなど、品質に変化があらわれます。凍らせてしまった製剤は使用しないようにしましょう。
未使用のインスリンやGLP-1受容体作動薬を寒いところに置き忘れない
 使用前は2〜8℃に冷やして保管しますが、病院から持ち帰る場合など短時間であれば、特に冷やして持ち帰る必要はありません。持ち出す場合は、バックの中に入れ、直射日光を避けましょう。特に注意が必要なのは車の中です。冬は0℃以下になることもありますので置き忘れないようにしましょう。
未使用のインスリンを冷蔵庫に保存する場合は、凍らせないように注意
 冬場では家庭用冷蔵庫の中では、冷蔵室の吹き出し口付近の温度が0℃以下になることがあります。吹き出し口から冷風が直接当たる場所を避け、ドアポケットなどに置くようにしましょう。冷蔵庫の強度設定を強くしすぎないように注意しましょう。

 冷蔵庫に入れないインスリンも、熱や光の当たらない、また凍らせるおそれのない場所に保管してください。

使いはじめたインスリンやGLP-1受容体作動薬は冷蔵庫に入れないで室温で保管
 開封したインスリンやGLP-1受容体作動薬は、室温(1〜30℃)で保存します。室内では、暖房器具の近くなど30℃を超える場所に置かないようにし、窓際などの直射日光があたる場所を避けましょう。

 冷蔵庫から出し入れすることによって、注入器の内部に結露がおこり、故障の原因となることがあります。冷蔵庫で保管しないでください。

 旅行に持っていく場合は、飛行機の貨物室などは、極端に高温または低温になるおそれがあるので、バックなどに入れ機内に持ち込みましょう。

使用期限に注意
 使用中のインスリンやGLP-1受容体作動薬は常温で保存できますが、使用期限は製剤によって異なるので、ラベルや外箱の記載を見て確認しましょう。

 詳しくは医療スタッフ向けサイト「糖尿病リソースガイド」をご覧ください。

インスリン・GLP-1受容体作動薬の使用期限
※各製剤の添付文書による
ノボラピッド注フレックスペン 外箱及び本体に表示の使用期限内に使用すること。
ヒューマログ注ミリオペン 外箱等に表示。
アピドラ注ソロスター 使用開始後4週間は安定である。[使用時の安定性試験(25℃)に基づく。]
レベミル注フレックスペン 外箱及び本体に表示の使用期限内に使用すること。
ランタス注ソロスター 使用開始後4週間を超えたものは使用しないこと。[使用時の安定性試験に基づく。]
ノボラピッド30ミックス注フレックスペン 外箱及び本体に表示の使用期限内に使用すること。
ヒューマリン3/7注ミリオペン 使用期限:外箱等に表示。
ビクトーザ皮下注 使用開始後は室温に保管し、30日以内に使用すること。
バイエッタ皮下注 使用開始後30日以内に使用すること。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

play_circle_filled 記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲