ニュース
2010年04月15日
インクレチンとSU薬の適正使用で勧告 低血糖の危険
日本糖尿病協会と日本糖尿病学会は、医療従事者向けに「インクレチンとSU薬の適正使用に関する委員会」によるインクレチン関連薬とスルホニル尿素薬(SU薬)の適正使用についての勧告を、4月8日付けでホームページ上で公表した。
同委員会は、SU薬と昨年12月に発売された2型糖尿病治療薬シタグリプチン(製品名:ジャヌビア、グラクティブ)の追加投与後に、重篤な低血糖による意識障害を起こした症例が報告されたのをふまえ、原因究明と対策案をたてるために設置された。
公表によると、SU薬とシタグリプチンとの併用で重篤な低血糖を起こすケースとして、(1)高齢者、(2)軽度腎機能低下、(3)SU薬の高用量内服、(4)SU薬ベースで他剤併用、(5)シタグリプチン(製品名:ジャヌビア、グラクティブ)内服追加後早期に低血糖が出現― ― の5つの特徴が認められた。
公表された勧告は5項目がある。▽高齢者や軽度腎機能低下者にSU薬を使用する場合は極めて慎重でなければならないとし、「投与して効果が少ない場合、SU薬は安易に増量しない」としている。さらに、▽高齢者・心不全・腎機能低下(軽度障害を含む)は、現行ではビグアナイド(BG)薬の投与は禁忌、などとしている。
同委員会では、今後の症例蓄積や解析の結果により、適宜勧告の追加修正を行うとしている。
*「新規のビルダグリプチン(製品名:エクア)などについても、作用機序から同様の事象が生ずると考えられるため、同じような取り扱いが必要と思われる」と加えられた。
詳しくは下記サイトをご覧ください。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
インクレチン関連薬の関連記事
- 医療者向け【抽選で100名様にプレゼント】製剤の特徴と薬価が一目でわかる! 最新版『インスリン製剤早見表2022-2023』公開
- さらに見やすく!新薬価も反映『インスリン製剤早見表2020-2021』 糖尿病リソースガイド
- 「糖尿病の飲み薬」を知って効果的に治療 どのような種類があるのか?
- 『インスリン製剤・インクレチン関連薬・SGLT2阻害薬 早見表2019-2020』を公開
- 「糖尿病標準診療マニュアル」第15版(一般診療所・クリニック向け)を公開
- 持参薬の確認で糖尿病患者の救急外来受診が減少 約3万人の米国人患者を対象に分析
- 週1回投与のGLP-1受容体作動薬でHbA1c値と体重が低下 消化器系の有害事象は増加
- 糖尿病患者の薬物療法の負担を測定 負担が強いとHbA1c値は悪化
- 「ミドリムシ」から糖尿病を改善する成分 「痩せるホルモン」を促進
- 高齢患者の急性膵炎リスクにDPP-4阻害薬の関与なし