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2009年11月10日
【2008年国民健康・栄養調査】 中年男性の3人に1人が肥満
- キーワード
- メタボリックシンドローム 食事療法
厚生労働省は9日、「2008年度国民健康・栄養調査」の結果概要を発表した。 肥満者の割合は男性28.6%、女性20.6%で、男性の40歳代、50歳代では3人に1人が肥満となっている。
調査は、2008年国民生活基礎調査により設定された単位区から無作為に抽出した世帯の世帯員を対象に11月に実施。調査を実施した世帯数は3838だった。
肥満:中年男性の3人に1人が肥満
- BMI(体格指数)が25以上の肥満者の割合は、男性28.6%、女性20.6%。
男性では40歳代が35.9%、50歳代が32.4%と高く、3人に1人が肥満となっている。年次推移をみると、男性の20〜60歳代の肥満者の割合は伸びているが、2000年以前の5年間に比べると伸び率は鈍化している。
また、女性の40〜60歳代の肥満者の割合は21.7%で、年々減少しているが依然として20%を超えている。一方で、BMIが18.5未満のやせの割合は、20歳代が22.5%、30歳代が16.8%と高く、年次推移でも20歳代の女性で横ばいの状況にある。肥満・やせの割合
2008年度国民健康・栄養調査 - メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の該当者は、男性が25.3%、女性が10.6%で、予備群は男性21.9%、女性8.3%だった。昨年の調査に比べ男性で微減し、女性で微増した。
- 自分を「太っている」と思う人の割合は、男性47.0%、女性52.6%。
うち過去の自分と比べて「太っている」と思う人は、男性では40歳代が49.7%、50歳代が47.9%と半数近い。一方で、女性では40歳代が59.3%、50歳代が51.2%と男性よりも割合が高い。 - 「体重を減らそう」と思っている人の割合は、男性で40.5%、女性で51.6%。肥満者の男性に限ると、3人に2人以上(70.2%)は体重を減らそうとしている。
- 体重を減らすために食生活で行っていることは、男性では「食事の量を調整」(49.3%)がもっとも多く、次いで「菓子や甘い飲み物を調整」(33.9%)、「バランスのとれた食生活」(30.3%)と続く。
一方、女性では、「夜遅い時間の食事を控えている」(49.6%)がもっとも多く、「菓子や甘い飲み物の調整」(47.5%)、「食事の量を調整」(46.2%)と続く。
歩数の平均値(20歳以上)
2008年度国民健康・栄養調査
運動:「運動習慣あり」は3人に1人
- 活動・運動については、運動習慣がある人は5年前と比べ男女とも増加しているが、3人に1人(男性33.3%、女性27.5%)にとどまる。また、意識的に身体を動かすなどの運動を「している」と回答した人の割合は、男性58.7%、女性60.5%で、男女ともに増加している。
- 1日の歩数の平均値は、男性では7011歩、女性では5945歩で、2003年と比べそれぞれ492歩、817歩減少した。「健康日本21」では歩数の目標値を、男性9200歩以上、女性8300歩以上としており、現状ではそれぞれ2000歩以上足りていない。
喫煙率:男性は5年前より10ポイント減の36%
- 習慣的に喫煙をしている男性は36.8%で、2003年と比べて10ポイント減少した。女性は9.1%で同2.2ポイント減少。男女合計では21.8%で同5.9ポイント減少した。いずれも、同じ条件で調査した2003年以降の調査で最低だった。
- 喫煙率を年代別にみると男性は40代が51.9%でもっとも高く、女性は30代の18.0%が最高だった。2003年調査と比べ減少が多かった20代男性で、14.6ポイント減の41.2%だった。一方、たばこをやめたいと思う人は、男性28.5%、女性37.4%で、男性で増加した。
- 喫煙や受動喫煙の影響については、「たばこを吸うとかかりやすくなる病気」として「肺がん」(87.5%)、「妊娠肺がんへの影響」(83.5%)、「咽頭がん」(65.9%)を挙げた人が多かったが、「脳卒中」(50.9%)「心臓病」(50.7%)「歯周病」(40.4%)は比較的少なかった。
- 最近1ヵ月間にストレスを感じたことがあると回答した人の割合は男性で57.9%、女性で64.1%に上り、2003年と06年の調査時とほぼ同様の水準になった。1日の平均睡眠時間は、男女とも「6時間以上7時間未満」がもっとも多く、男性35.0%、女性36.5%。5時間以上6時間未満が男性22.1%、女性25.6%、5時間未満が男性5.1%、女性6.2%いた。「睡眠で休養がとれていない」と回答した人は、男性18.4%、女性19.6%だった。
【国民健康・栄養調査】 関連トピック
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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