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2009年10月20日
中高年世代の体力は向上、子供は低下 全国体力調査
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のに対し、30歳代、50歳代では向上してきた。
調査では、20歳までの子供や若者、30歳代、50歳代の各年齢層ごとの体力の推移を比較した。30歳代、50歳代の人たちが若かった頃と比べ、20歳までの世代は握力、持久走など、多くの項目で劣っていることが分かった。
子供の体力低下の原因として、テレビゲーム機やインターネットの普及による室内での遊びの増加や、受験競争の低年齢化など、友達同士が集団で戸外で遊ぶ習慣が減ったことなどが挙げられる。民間のスポーツクラブなどに通う子供も増えており、運動する子としない子の二極化も指摘されている。
子供の体力の低下は、将来的に国民全体の体力低下につながり、肥満や脂質異常症、2型糖尿病など生活習慣病の増加を引き起こすことが懸念される。そうなると社会の活力が失われるという事態に発展しかねない。今後は経済不況の影響で親の経済力による教育格差が広がり、子供の体力面にも影響が出るという予測もある。若い時から運動習慣を身に付けることが大切とな

・小数点以下第2位で四捨五入(全国平均値)。

運動の代謝促進の効果は、活動する筋肉に現れるので、なるべく大きな筋肉を使うウォーキングや自転車エルゴメータなどの「有酸素運動」が勧められる。運動に向いた筋肉の量が増えると、ブドウ糖の取り込み能力を向上し、代謝効率が高まる。筋肉の量と質を高める「レジスタンス運動」を併せて行うと、運動の効果を得られやすくな
文科省の調査では、子供の体力は1985年頃をピークに下降している一方で、40代や50代では逆に向上している結果になった。調査に当たった内藤久士・順天堂大学スポーツ健康科学部教授は「子供の頃から運動をする習慣のあった人が成人してから体力が比較的低下しにくいのは、運動に必要な体がつくられエネルギーを消費しやすくなっているから」と指摘。「調査でもトレーニング効果がすぐに出ない項目では伸び悩んでいる。運動に対し親が積極的であると、子供の体力向上につながる。運動には息の長い取り組みが必要だ」としている。
運動の効果は、体力・運動能力の向上や、2型糖尿病などの生活習慣病の予防・対策にとどまらず、家計の医療費支出を減らすことにもつながる。運動を続けるために、お金がかからず手軽に運動できる環境を整備する対策が、行政に求められてい
自由に安全にウォーキングなど運動ができる公園や歩道がもっと望まれる。運動に取り組みやすい環境作りには地域の協力も欠かせない。住民が運営主体となる「総合型地域スポーツクラブ」は、全国に3000近くあるという。
文科省の「総合型地域スポーツクラブに関する有識者会議」は8月、運動施設の整備や、廃校や空き教室の積極的な利用、夜間照明施設の設置による利用できる時間の拡大などの環境整備、地域住民の交流の場となるクラブハウスの整備による地域活性化などをいっそう支援するよう提言をまとめた。こうしたことを着実に実行していくために、行政レベルでの横断的な連携も求めている。
平成20年度体力・運動能力調査結果(文部科学省)
今後の総合型地域スポーツクラブ振興の在り方について〜7つの提言〜(文部科学省)
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