ニュース
2009年08月25日
人間ドックで「異常なし」が過去最低に 人間ドック学会
- キーワード
- メタボリックシンドローム
2008年に人間ドックで異常なしと判定された人は約1割で、過去最低となったことが、日本人間ドック学会(奈良昌治 理事長)などの調査で分かった。異常が認められた割合はほとんどの項目で前年より増加した。
受診者の9割になんらかの異常
高齢化と環境悪化が要因
調査は、日本人間ドック学会と日本病院会がまとめたもので、対象となった人間ドック受診者数は295万人だった。調査では1984年から毎年、その前年の受診者の検査結果を施設ごとに調べている。人間ドックでは、肥満、糖尿病(耐糖能異常)、高血圧、高コレステロール、高中性脂肪、肝高齢化と環境悪化が要因
6項目異常頻度(男性・年代別)
人間ドックで発見されるがんのトップは胃がんで、次いで大腸がん。両方を合せると20年前は全がんの約70%を占めていたが、今回の調査では約47%と減少傾向を示している。学会は「その他のがんが年々増加し、特に男性では前立腺がん、女性では乳がんが著しく増えたため」としている。
年代別に比べると、肝機能異常、肥満、高中性脂肪、高コレステロールは50歳代をピークとして60歳以上は下降傾向を示しており、高血圧と耐糖能異常は加齢とともに上昇傾向を示している。異常なしが減少した原因として、日本人間ドック学会は「受診者の平均年齢が40歳代から50歳代へと移行し、さらに60歳以上の受診者が年々増加している。職場環境、家庭環境などの生活環境が変化している影響もある。メタボリックシンドロームは環境悪化に基づく生活環境病であると認識し、総合的な対策を立てる必要がある」と説明している。
50歳代・男性では肝機能異常、肥満、高コレステロールの異常の頻度が高くなり、耐糖能 異常と高血圧は年齢が高くなるほど上昇する。
日本人間ドック学会、日本病院会「人間ドックの現況(平成20年度調査)」
日本人間ドック学会、日本病院会「人間ドックの現況(平成20年度調査)」
メタボリックシンドロームは環境悪化に基づく生活環境病
一般社団法人日本人間ドック学会 - プレスリリース
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
メタボリックシンドロームの関連記事
- 体重をわずか3%減らすだけで肥満・糖尿病を改善できる 【日本肥満症予防協会セミナー・レポート】
- 糖尿病や肥満の新たな治療 肝臓の「アクチビンE」が脂肪を燃焼
- 糖尿病と心不全リスク 「心不全パンデミック」に3つの方法で対策
- 甘いものを食べるなら日中の活動時間を選ぶとメタボになりにくい
- 「職場ストレス」がメタボの危険性を40%上昇 ストレスを解消
- 対談「女性と生活習慣病予防」一無、二少、三多で健康長寿
- 「ミドリムシ」から糖尿病を改善する成分 「痩せるホルモン」を促進
- 実践!スローカロリー「上手な糖質活用のノウハウを教えます」
- 「やせ過ぎ」「人とのつながり」「喫煙」が高齢者の寿命を縮める
- 「おにぎりダイエット」で体重が減少 ご飯と運動で腹囲は減らせる