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2009年08月25日

人間ドックで「異常なし」が過去最低に 人間ドック学会

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メタボリックシンドローム
 2008年に人間ドックで異常なしと判定された人は約1割で、過去最低となったことが、日本人間ドック学会(奈良昌治 理事長)などの調査で分かった。異常が認められた割合はほとんどの項目で前年より増加した。
受診者の9割になんらかの異常
高齢化と環境悪化が要因
 調査は、日本人間ドック学会と日本病院会がまとめたもので、対象となった人間ドック受診者数は295万人だった。調査では1984年から毎年、その前年の受診者の検査結果を施設ごとに調べている。人間ドックでは、肥満、糖尿病(耐糖能異常)、高血圧、高コレステロール、高中性脂肪、肝機能異常など20項目以上を判定する。2008年に健診や人間ドックを受診した合計数は1086万人で、前年より16万人増加した。

 「異常なし」(A判定)と「軽度異常だが現在心配はない」(B判定)を合わせた「異常なし」と判定された人の割合は9.6%で、前年より2.2%減少した。異常なしは加齢とともに減少するが、受診者の90.4%になんらかの異常が認められたことになる。年代別でみると異常なしの割合は、40歳代では10.8%(前年比1.7ポイント減)、50歳代では6.3%(前年比1.2ポイント減)、60歳以上では4.6%(前年比1.1ポイント減)となった。

 異常なしの割合は調査を始めた1984年の29.8%がもっとも高く、2006年には11.4%まで低下していた。2007年の調査では初めて増加に転じ、下げ止まりが期待されていたが、再び減少した。生活習慣病と関連の深い6項目を年齢層別にみると、なんらかの異常が認められた人の割合は中性脂肪を除いては総ての項目で前年より増加した。

 異常が認められた項目で、もっとも高いのは「高コレステロール」(26.4%)で、以下は「肝機能異常」(26.2%)、「肥満」(26.1%)、「高血圧」(17.7%)、「耐糖能異常」(16.3%)、「高中性脂肪」(14.6%)と続く。

 性別にみると、男性では「肝機能異常」(31.9%)が高く、次いで「肥満」(30.6%)、「高コレステロール」(26.6%)、「高血圧」(20.9%)、「耐糖能異常」(19.6%)、「高中性脂肪」(18.8%)と続く。

6項目異常頻度(男性・年代別)
50歳代・男性では肝機能異常、肥満、高コレステロールの異常の頻度が高くなり、耐糖能異常と高血圧は年齢が高くなるほど上昇する。
人間ドックの現況(平成20年度調査)
日本人間ドック学会、日本病院会「人間ドックの現況(平成20年度調査)」

 人間ドックで発見されるがんのトップは胃がんで、次いで大腸がん。両方を合せると20年前は全がんの約70%を占めていたが、今回の調査では約47%と減少傾向を示している。学会は「その他のがんが年々増加し、特に男性では前立腺がん、女性では乳がんが著しく増えたため」としている。

 年代別に比べると、肝機能異常、肥満、高中性脂肪、高コレステロールは50歳代をピークとして60歳以上は下降傾向を示しており、高血圧と耐糖能異常は加齢とともに上昇傾向を示している。異常なしが減少した原因として、日本人間ドック学会は「受診者の平均年齢が40歳代から50歳代へと移行し、さらに60歳以上の受診者が年々増加している。職場環境、家庭環境などの生活環境が変化している影響もある。メタボリックシンドロームは環境悪化に基づく生活環境病であると認識し、総合的な対策を立てる必要がある」と説明している。

メタボリックシンドロームは環境悪化に基づく生活環境病
メタボリックシンドロームは環境悪化に基づく生活環境病

一般社団法人日本人間ドック学会 - プレスリリース

[ Terahata ]

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