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2007年12月03日
2型糖尿病の新しい治療薬「バイエッタ」 週1回投与型も開発
イーライリリー・アンド・カンパニー、米アミリン・ファーマシューティカルズ社、アルカミーズ社が10月に発表したもので、30週間にわたり第2相試験と第3相試験が行われた。
エクセナチド(バイエッタ) エクセナチド(製品名:バイエッタ)は2型糖尿病の治療薬として世界各国で使用されている。米国では現在、エクセナチドは標準的な経口血糖降下薬であるメトホルミン、スルホニル尿素剤、またはチアゾリジンジオンとの併用薬として承認されている。 バイエッタはFDAが承認した初の、そして唯一のインクレチン・ミメティクス。米国で2005年4月に承認され、70万人を超える患者の治療に使われている。標準的な経口糖尿病薬で血糖コントロールができない2型糖尿病患者が適応となる。
インクレチン・ミメティクスは、体内で自然に分泌されるインクレチン・ホルモンのGLP-1と同様の抗糖尿病作用・血糖降下作用を示す。血糖の上昇に反応してインスリンの産成能力を刺激する、食後にグルカゴン・ホルモンの分泌を抑制する、栄養分が血中に吸収される速度を低下する、満腹感をえられやすくなるといった作用がある バイエッタは日本では現在、臨床試験が行われている。2型糖尿病の新しい効果的な治療法として期待されている。 週1回投与型エクセナチドは、ポリマーの微小球体の内部に有効成分を封じ込めた薬剤。体内でこの球体がゆっくり分解し、慎重にコントロールされた速度で効果があらわれる。 |
週1回投与型エクセナチドと1日2回投与型エクセナチドの両治療群で、平均約3.6kgの体重減少がみられた。また、週1回投与型エクセナチド、1日2回投与型エクセナチドともに忍容性は良好だった。
週1回投与型のエクセナチドで治療を受けた患者では、HbA1cがベースラインよりも約1.9ポイント低下した。1日2回投与型エクセナチドの約1.5ポイントの低下よりも、統計的に有意に優れた血糖コントロールをHbA1c値において示した。
また、週1回投与型エクセナチド群の患者の半数近くが、HbA1cの目標値である6.5%以下を達成した。国際糖尿病連合(IDF)はHbA1cを6.5%以下に抑えることを推奨している。
3社はこの週1回投与型エクセナチドを、2009年上半期末までに米国FDAに許認可申請を行う
●詳しくはイーライリリー・アンド・カンパニーのサイトへ(英文)
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