ニュース
2007年10月11日
新しいインスリン製剤 体重増加を抑え低血糖は減少
- キーワード
- 医薬品/インスリン
持効型溶解インスリンアナログ製剤「インスリン デテミル」(海外販売名 Levemir®)が、1型、2型糖尿病での血糖コントロールを改善し、低血糖の発現率を低下させるという臨床試験の結果が、デンマークのノボ ノルディスク社によって発表された。
この2つの試験について、9月にオランダで開催された第43回欧州糖尿病学会(EASD)で発表された。
1型糖尿病を対象とした、インスリン デテミルとNPH(中間型)インスリンとを比較した2年間の試験で、インスリン デテミルで治療した患者では、NPHインスリンで治療した患者に比べ体重増加が有意に少なく、血糖コントロールが有意に改善された。また、夜間の低血糖を減少することも確かめられた。
また、5,000人以上の患者の協力を得て行われた大規模無作為化臨床試験「PREDICTIVER 303」でも、NPHインスリンまたは他の基礎インスリンから切り替えてインスリン デテミルの投与を26週間にわたって受けた2型糖尿病の患者では、体重が実際に減少し、血糖コントロールが有意に改善し、低血糖の発現率が低下したことが確かめられた。
インスリン デテミルは、基礎(長時間作用型)インスリン補充を必要とする1型、2型の成人、小児の患者の治療用に1日1回または1日2回皮下投与で治療効果を得られる持効型インスリン製剤。作用時間は最大24時間で、時間・作用曲線に変動が小さいのが特徴となる。
2004年に欧州で発売され、2006年に米国で発売された。日本では現在申請中。
この記事は、ノボ ノルディスク ファーマが10月3日付で発表したプレスリリースを元にしています。
●詳しくはノボ ノルディスク ファーマ(株)のサイトへ
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
医薬品/インスリンの関連記事
- 糖尿病の治療を続けて生涯にわたり健康生活 40年後も合併症リスクが大幅減少 最長の糖尿病研究「UKPDS」で明らかに
- インスリンを飲み薬に 「経口インスリン」の開発が前進 糖尿病の人の負担を減らすために
- 1型糖尿病の人の4人に1人が摂食障害? 注射のスキップなど 若年だけでなく成人もケアが必要
- 糖尿病の人は腎臓病のリスクが高い 腎臓を守るために何が必要? 「糖尿病・腎臓病アトラス」を公開
- 糖尿病は治る病気? 大幅な体重減少を達成した人は糖尿病が「寛解」 体重を増やさないことが大切
- 1型糖尿病の根治を目指す「バイオ⼈⼯膵島移植」 研究を支援し「サイエンスフォーラム」も開催 ⽇本IDDMネットワーク
- 糖尿病のある人は「がんのリスク」が高い 飲み薬のメトホルミンがリスクを減少 がん予防で必要なことは?
- 糖尿病と高血圧のある腎不全の男性を透析から解放 世界初の「異種移植」が成功
- 1型糖尿病患者に「CGM+インスリンポンプ」を提供 必要とする人が使えるように 英国で5ヵ年戦略を開始
- 糖尿病とともに生きる人の寿命は延びている 自分らしく長生き いますぐ取り組むべき「8つの生活スタイル」