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医療費の増大は予防で対策 厚生労働白書
2007年09月14日

 厚生労働省は2007年版「厚生労働白書」を公表した。今年の表題は「医療構造改革の目指すもの」。

 白書では、医療や国民の生活の質を確保し、医療費を抑制するためには中長期的な視点が必要と強調している。長期入院を減らし、病気を予防することが実際的な対策となる。

 日本では高齢・少子化が進み、2030年には75歳以上の後期高齢者が現在の約2倍の2,266万人となると予測している。老人医療費は、老人以外の約5倍であり、有効な対策をしないと、医療技術の進歩とも相まって、将来の医療費は大きく増える。

地域による医療費の差
 白書では、都道府県別の1人当たりの「老人医療費」は、もっとも高い福岡県(96万5000円)ともっとも低い長野県(63万5000円)では、約1.5倍の差があり、地域格差が拡がっていると強調。健診受診率が高い都道府県では、1人当たり老人医療費が低くなる傾向があり、逆に平均在院日数が長いと、1人当たり老人医療費が高くなると指摘している。

 日本の入院日数の平均は約35日で、先進国で最も長い。専門病院や診療所などの医療機関がそれぞれ適切な役割分担をし、入院患者の回復とともに在宅での治療に移すことで入院日数を減らすことができるとしている。

 悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患の3大死因に糖尿病を加え、70歳以上の受療率を比べたところ、入院でもっとも高いのは高知県で、人口10万人当たり2,904人だった。最も低いのは長野県の1,139人で、高知県が約2.5倍。外来では和歌山県がもっとも高く2,490人、もっとも低い神奈川県1,147人の約2.2倍。

医療費の増大を一次予防で抑える
  • 生活習慣病は死亡原因の6割を占める。
  • 2型糖尿病などの生活習慣病にかかる医療費は10.4兆円(2004年)で、国民医療費の約3割を占める。糖尿病合併症を含んだ糖尿病の医療費は1.9兆円。
  • 心疾患、高血圧、脳卒中、動脈硬化症などの循環器病の進行を抑えるためには、境界領域期での生活習慣の改善にしっかり取り組むことが重要。そうすることで疾病の発症リスク要因を減らすことができる。
 健康日本21では病気の一次予防に重点をおき、9分野70項目で具体的な目標を掲げ施策を進めているが、中間評価報告書(2007年)によると、策定時から改善がもられない項目や、むしろ悪化している項目が多い。

 そこで報告書では、これまでの生活習慣病対策の課題と今後の方向性として、次の6点をあげた。

  1. 総花主義からの脱却
  2. 目標達成に向けた効果的なプログラムやツールの展開
  3. 政府全体や産業界を含めた社会全体としての取組み
  4. 保険者、市町村等の関係者の役割分担
  5. 保健師、管理栄養士等医療関係者の資質の向上
  6. 現状把握、施策評価のためのデータの収集、整備
メタボリックシンドローム対策が鍵
  • 患者増加の背景にメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)がある。2005年の調査によると、40〜74歳では男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリックシンドロームが強く疑われるかその予備群。
  • メタボリックシンドローム対策として、生活習慣を改善し内臓脂肪を減少することが望まれる。
 メタボリックシンドロームのリスク保有者の割合をみると、男性では、もっとも高い沖縄県が18.7%であり、もっとも低い新潟県 9.8%の約1.9倍となっている。女性は、最も高い徳島県が5.1%であり、最も低い新潟県2.6%の約2倍となっている。

●詳しくは厚生労働省のサイトへ
 平成19年版厚生労働白書

関連情報
日本の糖尿病の医療費は年間1.9兆円

[ Terahata ]

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