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2011年09月05日
人間ドック:昨年の受診者で「異常なし」は過去最低の8.4%
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- 糖尿病と肥満 糖尿病の検査(HbA1c 他) 糖尿病予備群
人間ドックを受診した人のうち、「異常なし」と判定された人の割合は2010年は過去最低の8.4%にとどまったことが、日本人間ドック学会と日本病院会の調査であきらかになった。
調査の対象となった人間ドック受診者数は、前年より7万人多い308万人。調査を開始した1984年の41万人から7倍以上に増加した。 生活習慣病に関連する検査のうち、「異常なし」と判定された人の割合は、全平均で前年より1.1%低い8.4%で、過去最低となった。同学会らが全国集計を始めた1984年は「異常なし」は29.8%だった。25年で健常者の割合は3分の1未満に減少した。
年齢が上がるにつれ「検査値:異常なし」は減少
「異常なし」と判定された人の割合は年齢が高くなるにつれ減少し、39歳以下が17.7%、40歳代が9.9%、50歳代が5.6%、60歳以上が3.7%だった。
低い年齢層では、生活習慣の改善を求められる程度の軽い異常値の人が比較的多かったが、高齢者になるほど治療が必要な人の割合は増える傾向がみられる。男女別では、男性7.3%、女性10.2%だった。
生活習慣病と関連の深い検査6項目で比較すると、異常があった検査項目は多い順に、肥満(27.7%)、高コレステロール(27.3%)、肝機能異常(27%)、耐糖能異常(20.3%)、高血圧(18.8%)。
生活スタイルと関連の深いこれらの検査項目で、前年より減少したのは高中性脂訪のみで、5項目ではすべてが増加した。
性別にみると、男性では肥満が32.9%ともっとも多く、以下は肝機能異常、高コレステロール、耐糖能異常、高血圧と続く。
女性では高コレステロールがもっとも多く26.7%を占め、肥満、肝機能異常、耐糖能異常、高血圧と続く。女性では高コレステロールの異常の割合が、50歳代以後に急上昇して男性と逆転した。
男性では年齢層別にみると、耐糖能異常と高血圧は加齢とともに上昇傾向を示し、肝機能異常、肥満、高コレステロール、高中性脂訪は50歳代をピークとして、60歳以上は下降傾向を示している。
がん:人間ドックは「総合型検診」、軽症のうちに発見・治療
発見がん症例数も前年より増加した、人間ドックで発見されるがんのトップは胃がん(28.2%)であり、次いで大腸がん(16.5%)。両方を合せると25年前は全発見がんの約70%を占めていたが、今回の調査では約45%と年々減少傾向を示している。
その理由は、その他のがんが年々増加し、特に男性では前立腺がん、女性では乳がんが著しく増えたため。女性に限ると乳がんは41.7%でトップ。
同学会では「日本人の2人に1人はがんに罹患し、3人に1人はがんで死亡しているのが現状」として、がんを発見した症例数の増加について「人間ドック健診施設の質的向上がうかがわれる」と指摘している。
住民を対象としたがん検診は、特定臓器に限定しているに対し、人間ドックは「個別型がん検診」で、オプション検査を含めて全臓器を対象とした「総合型検診」と説明している。
人間ドックで最も発見頻度の高い胃と大腸がんについては、早期がんの占める割合が72〜77%前後。胃は94%、大腸がんの97%が手術を実施しており、特に大腸がん手術例中内視鏡的切除が年々増加して7害リを占め、「二次予防の有用性を実証することができた」と述べている。
死因のトップを占めているがん死亡率を今後10年以内に20%減少を日標に、国は2007年4月よりがん対策基本法を施行している。その柱のひとつに「がん検診の強化」を掲げている。
同学会では対策として「50歳以上の男性に対するPSA検査」、「40歳以上の女性に対する乳房エコー検査やマンモグラフイー」などを基本検査項目に導入する必要があると強調している。
検査で異常を指摘される人が増加した背景として、同学会では、メタボリックシンドロームに着目した特定健診が2008年に開始され、腹囲測定が導入されるなど、「健康への関心が高まり、人間ドック受診者数が増加した」と説明。
「食習慣の欧米化と運動不足」、「景気低迷などにともなう社会や職場環境の悪化、ストレスの増加」などが生活習慣に悪影響をもたらしていると指摘している。
日本人間ドック学会人間ドックの現況
日本病院会
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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