開催報告
第45回 若い糖尿病患者さんとのグループミーティングのまとめ
東京女子医科大学糖尿病センター 小林浩子 先生
(運営メンバー/ファシリテーター)
コロナ禍においてグループミーティングをどのように開催するのか、多くの患者会の大課題になっています。私たちはグループミーティングを2020年7月26日、10月18日に開催しました。オンライン開催グループミーティングに挑戦してみました‼ 実は、オンライン開催は我々にとっても初めてなので、7月の会はグループミーティングに参加歴のある方にお声をかけ、時間帯を10時から12時半までと短縮し、ZOOMを用いてトライアルを兼ねて開催してみました。
画面上ではきっと気持ちが十分に通じ合えないものと考えていましたので、皆さんに満足していただけるのかを危惧していました。が、しかし、終了後の「参加されてどう思われましたか?」とのアンケートに100%の方が「非常によかった」または「よかった」のどちらかを回答されました。思わぬ誤算です。コロナ禍の中、人と自由に会えない環境下であるからこそ、どのような形であっても、人と人とがつながるというのが自然で、そして人間にとって心地よいことなのだな、と実感しました。
10月の第45回目は、7月の会がそこそこうまくいったので、参加人数を増やしてみよう、初めて参加の方にも来てもらおうと窓口を広げて参加を募りました。そして第45回目の本ミーティングには、初めての方も含め患者さん7名、ご家族4名、医療者2名にご参加いただきました。全国から参加いただけました。交通費もいらない、移動の時間もかからないのですね。これはオンラインゆえの醍醐味です。
いつものように自己紹介からはじめ、その後に8~10名ほどの小グループで話し合いました。各地域のコロナ対策方法にはじまり、運動不足をどのように解消するか、電話診療はどうなのか等々、個々の経験を皆でシェアしていきました。皆さんが徐々に打ち解けていくのが、画面の中で手に取るようにわかりました。2020年はフィアスプ®やルムジェブ®などのより速やかに効果を発揮する超速効型インスリン製剤が発売、バクスミ―®というグルカゴン点鼻粉末剤が発売されたのも特記すべき点です。何人かの方はもう使用しておられ、これらの薬剤の使用経験を聞くことは、われわれ医療者にとっても勉強になりました。
2020年は多くのサマーキャンプや患者会が中止となりました。患者さん同士が忌憚なく話をする機会がほんとになくなってしまったともいえましょう。ですが1型糖尿病の方には、他の方々がインスリンをどのように注射して、生活面ではどのような工夫しているかを聞くことはとてもよい勉強になります。発症間もない方やそのご家族にとって、このオンラインミーティングがすこしはお役に立てたのではないかと期待しています。
ミーティングの最後に、あるお母さまが「1型糖尿病の皆さんがこうして普通に元気に過ごされているのをみて、それが何より一番うれしかったです」との感想を述べられました。また他の方からも「主治医や看護師からの説明ではなく、自分と同じく試行錯誤している方々の生の話がきけて、安心できた部分や参考になる部分が多かった」、「長い人生の中で、必要な情報は変わっていくと思います。このような状況下でも相談できる場があることに感謝しています」などのコメントをいただきました。
このような状況がいつまで続くのかはわかりませんが、『オンライン』という新たな通信手段をえて、このグループミーティングの可能性がさらに広がってきていると感じました。また皆さんと一堂に会することができる日を待ちつつ、しばらくは『若い糖尿病患者さんとのグループミーティング』はオンライン開催といたします。
(運営メンバー/ファシリテーター)
コロナ禍においてグループミーティングをどのように開催するのか、多くの患者会の大課題になっています。私たちはグループミーティングを2020年7月26日、10月18日に開催しました。オンライン開催グループミーティングに挑戦してみました‼ 実は、オンライン開催は我々にとっても初めてなので、7月の会はグループミーティングに参加歴のある方にお声をかけ、時間帯を10時から12時半までと短縮し、ZOOMを用いてトライアルを兼ねて開催してみました。
画面上ではきっと気持ちが十分に通じ合えないものと考えていましたので、皆さんに満足していただけるのかを危惧していました。が、しかし、終了後の「参加されてどう思われましたか?」とのアンケートに100%の方が「非常によかった」または「よかった」のどちらかを回答されました。思わぬ誤算です。コロナ禍の中、人と自由に会えない環境下であるからこそ、どのような形であっても、人と人とがつながるというのが自然で、そして人間にとって心地よいことなのだな、と実感しました。
10月の第45回目は、7月の会がそこそこうまくいったので、参加人数を増やしてみよう、初めて参加の方にも来てもらおうと窓口を広げて参加を募りました。そして第45回目の本ミーティングには、初めての方も含め患者さん7名、ご家族4名、医療者2名にご参加いただきました。全国から参加いただけました。交通費もいらない、移動の時間もかからないのですね。これはオンラインゆえの醍醐味です。
いつものように自己紹介からはじめ、その後に8~10名ほどの小グループで話し合いました。各地域のコロナ対策方法にはじまり、運動不足をどのように解消するか、電話診療はどうなのか等々、個々の経験を皆でシェアしていきました。皆さんが徐々に打ち解けていくのが、画面の中で手に取るようにわかりました。2020年はフィアスプ®やルムジェブ®などのより速やかに効果を発揮する超速効型インスリン製剤が発売、バクスミ―®というグルカゴン点鼻粉末剤が発売されたのも特記すべき点です。何人かの方はもう使用しておられ、これらの薬剤の使用経験を聞くことは、われわれ医療者にとっても勉強になりました。
2020年は多くのサマーキャンプや患者会が中止となりました。患者さん同士が忌憚なく話をする機会がほんとになくなってしまったともいえましょう。ですが1型糖尿病の方には、他の方々がインスリンをどのように注射して、生活面ではどのような工夫しているかを聞くことはとてもよい勉強になります。発症間もない方やそのご家族にとって、このオンラインミーティングがすこしはお役に立てたのではないかと期待しています。
ミーティングの最後に、あるお母さまが「1型糖尿病の皆さんがこうして普通に元気に過ごされているのをみて、それが何より一番うれしかったです」との感想を述べられました。また他の方からも「主治医や看護師からの説明ではなく、自分と同じく試行錯誤している方々の生の話がきけて、安心できた部分や参考になる部分が多かった」、「長い人生の中で、必要な情報は変わっていくと思います。このような状況下でも相談できる場があることに感謝しています」などのコメントをいただきました。
このような状況がいつまで続くのかはわかりませんが、『オンライン』という新たな通信手段をえて、このグループミーティングの可能性がさらに広がってきていると感じました。また皆さんと一堂に会することができる日を待ちつつ、しばらくは『若い糖尿病患者さんとのグループミーティング』はオンライン開催といたします。