開催報告

グループミーティングの感想

高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科学 高田浩史

私は、高知大学医学部附属病院を中心に、高知県内にて糖尿病診療に10数年携わってきた。県内では、1型糖尿病患者さんの数が少ないために、実際に診療経験のある医療施設は少なく、経験のある施設であっても知識不足が否めない状況であった。
 これがひとつの原因となってか、2型糖尿病と同様の治療を受けて苦悩している多くの1型糖尿病患者さんを経験したことがある。

最近、私自身も1型糖尿病の診療に積極的に取り組むようにし講演会等を行ってきたが、まだまだ自分自身の経験不足を感じることが多く、積極的に他の先生の研究会や講演会などに参加して1型糖尿病診療の経験の多い医師や、実際の患者さんに多くのことを教えて頂いてきた。
 その中で東京女子医科大学 糖尿病センターの三浦先生と出会い、国内で最も1型糖尿病診療が充実している同施設にて、1年間研修させて頂く機会を得た。

この糖尿病センターでは非常に多くの1型糖尿病患者さんが診療のために来院されていた。診療以外にも院内で開かれるグループミーティング、患者会が開催している納涼会やクリスマス会などがあり、それらに積極的に参加した。
 参加して多くの1型糖尿病の患者さんと話し合う機会を持つことができた。そのような会合を通じて、うれしいことに患者さん達と仲良くなることができた。
 患者さんが実際にどんなことで悩んでいるのか、医療者の立場として何が望まれているか、などを直接患者さんから聞くことができた。

1型糖尿病の診療というのは、インスリン療法だけではない。患者さんが実際の生活で糖尿病とともに生きていく術を身につけていくことがとても大事である、このことにしっかりと軸をおかねばならない。
 そう考えると、医療従事者と患者の理想的な関わり方は、日常の診察では時間が不足し、勉強会では情報が一方向となってしまう。また、サマーキャンプは対象が主に小児であること、一方、一般の患者会はやや敷居が高いなど、多くの1型糖尿病患者さんに、十分な情報を伝え、疑問に答えられるものはなかったのではないか。
 その中で、今回参加した「若い糖尿病患者さんとのグループミーティング」は、これまでの会合とは異なる非常に有効なものであると考えた。

全国から様々な医療施設を受診している患者さんが集まっていた。よって、患者さんは他施設での治療法を知ることになる。これは、自分の治療の更なる向上のための何らかのヒントになると考えられた。

全員が大きな輪を作って自己紹介をして会場の雰囲気に慣れ、その後に小グループに分かれて、ファシリテーターやベテランの患者さんが上手にミーティングを進行させる。発言が苦手な方でもスムーズに参加できていたと思う。
 実際に発症したばかりで全くどうして良いのか分からない方や、発症してから何年も経つベテランの患者さんでも、病気の受容、人間関係、就職、進学、結婚、妊娠など種々の悩みを抱えている方は多く、皆で一緒に話しを聞き、そして考えることは少しでも解決の糸口となったと考えられる。

このミーティングは内潟先生、齋藤先生をはじめとする多くの先生方や、ベテランの1型糖尿病患者さんのサポートによって、非常に良いものであると感じた。
 残念ながら高知県からは東京は遠方であるため、希望はあっても経済的・時間的理由よりも参加が困難な方が多く存在する。将来的には私自身経験を積みながら、高知県でも同様のグループミーティングを開催したいと思う。

ジョンソン・エンド・ジョンソン
日本イーライリリー
糖尿病ネットワーク
1型ライフ