第2回 若い糖尿病患者さんとのグループミーティングのまとめ
東京女子医科大学糖尿病センター 小林浩子
春分の日に開催された二回目のグループミーティング。患者さん18名と医療関係者13名が集いました。
「皆さんは自分が寂しいなと思った時、逆に自分の心を閉ざしてしませんか?心を閉ざしてしまって他人が入って来れないようにしていませんか」というチャプレン先生の言葉で始まりました。
他の人に自分の心の傷を見せるのは嫌なことです。病気をひとりでかかえようとする、そして孤独に陥り、誰もわかってくれないとひがんでしまう。だれも愛してくれない、医療者もわかってくれないとまわりを責めて…糖尿病を発症してしばらく投げやりな気持ちで過ごしてきた方、悩みもせず淡々と過ごしてきて、このままでいいのかと確認をしたくていらした方、みなさんが正直な気持ちを語って下さいました。
昼食後は7,8名ずつの小グループに分かれ、自分が話ししてみたいことを話しあいました。そして、他の人の話しを熱心に聞きました。小さい時に糖尿病を発症したのでその時はわからなかったが今になって両親の気持ちを振り返ってみることができた方。大切な人の突然の糖尿病の発症に戸惑いながら、今後どのように向き合っていくのかヒントを得たいといらした方など。
同じ糖尿病を持っていても、当然のことですがひとりひとり違った体験をされています。他の人の体験談を聴いていると、目先の数値の上下に気を取られない、そして心のゆとりをもった、へこたれない人生を楽しむ生き方がわかってきたようだとの感想がありました(また、教科書などにはのっていない血糖コントロールに役立つ話もあったようです)。
参加された医療関係者の皆さんは患者さんがそれぞれいろいろな思いを持って生活しているとは知ってはいるのですが、このような会に参加すると、改めて「そうだな」と認識する機会になります。糖尿病を発症して間もない患者さんに対する関わりがとても大事であるとか、型にはめこんで一方的な指導をするのではなく焦らずに患者さんの思いを聴きながらいくのだという思いが聞かれました。
ホスピスにいる末期がんの患者さんは"生きる"という希望から「解放された希望」を持たれるそうです。糖尿病を受け容れなければ、糖尿病をなんとか改善しなければ!という強迫的な思いから、解放されてみる・・・一時的にでも・・・