開催報告

第18回 若い糖尿病患者さんとのグループミーティングのまとめ   

ファシリテーター 小林浩子(東京女子医科大学糖尿病センター) 

         

第18回目グループミーティング(2013年3月17日)には患者さん32名、ご家族2名、医師5名(うちスタッフ4名)、看護師5名、栄養士1名と多くの方にご参加いただきました。
 この会の目的は患者さんと医療関係者が同じ目線で話し合うことで、患者さんは糖尿病と関わる日々の生活を過ごしやすくしていくための方法や考え方を学び、また医療関係者は患者さんとの関わり方を学んで、共に前向きなエネルギーを創りだしていくことです。
 2008年から始めたグループミーティングも5年目を迎え、今後もより充実した会となるよう考えるべき節目かもしれません。

今回のグループミーティングは、やりかたをすこし変えてみました。
 これまで、午前中に大きな輪になって自己紹介、午後は数名のグループに分かれてひとりひとりが感じていることや疑問に思っていることを話し、そして聴くという形式で進めてきましたが、もっといろいろな人とふれあいたい、病歴の長い方はアドバイスするばかりで自分のことを話せない…などの感想が寄せられました。
 そこで今回は、午後の小グループの話し合いをメンバーを入れ替えて2回行い、より多くの方と話し合えるようにしました。今後は午後の小グループ話し合いを2回行い、2回目のグループ分けを話し合いたいテーマごとにする、または病歴の期間できめるなど工夫していきたいと思います。
 ご意見がありましたら、会終了時のアンケートにご記入いただくようお願い申し上げます。

今回の小グループの話し合いでは、発症間もないお子さんのお母様の話しをきく機会がありました。
 その時印象に残ったのが、ある女性の「糖尿病の原因が自分にもあるのでは…とお母さんが自分自身を決して責めないでください。」との言葉でした。その気持ちはどうしても母から子に伝わり、その子は糖尿病の話しをするとお母さんを苦しませることになると考え、相談相手がいなくなってしまうという理由でした。
 別の女性は発症間もない時の「あなた宝くじを買ってみれば…」というお母様の一言を紹介してくださいました。日本での15歳未満1型糖尿病発症率は10万人に2人という低い確率ですが、それになったのだから宝くじもあたるかもしれないという発想です。ご両親の辛い気持ちは言葉で表現しようがありませんが、あえてこのように発言できるお母様の大きさに目からウロコがおちたように感じました。
 糖尿病を通じて本当に皆さん1人1人がいろいろな体験をなさっているのだと改めて実感させていただきました。

チャプレン齋藤先生からは新渡戸稲造著「武士道」の中の"おくゆかしさ"という言葉が紹介されました。無駄な言動がなく、するべきことは淡々と自分を律しながら行っているという生き方だそうです。そんな生き方も素敵だなと思いました。

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