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2026年03月14日

オリーブオイルが糖代謝を促す?「オリーブの日」に考える脂質の摂り方

 近年、糖尿病の予防においては、脂質を一律に制限するのではなく、オリーブオイルのような「植物性脂肪」を上手に選んで取り入れることの重要性が示唆されている。植物性脂肪が健康に及ぼす影響については国内外で数多くの研究がされているが、国内では最近、こうした油の選び方に「運動」を組み合わせることで糖代謝にどのような影響があるかを探る研究も行われている。
 3月15日は「オリーブの日」だ。日本最大の産地である香川県・小豆島とオリーブの歴史にちなんだこの日に合わせ、オリーブオイルと健康の関係に着目、健やかな生活のための「油との付き合い方」について考えていきたい。

糖尿病予防と脂質の関係

 日本国内で糖尿病患者が増え続けている現状は、深刻な問題である。厚生労働省の発表によれば、現代人の総エネルギー摂取量は長期的には減少傾向にあるものの、その内訳には大きな変化が見られる。動物性脂肪の摂取量や、食事全体に占める脂質の割合が増え続けているのだ。こうした「食の欧米化」に伴う栄養バランスの偏りが、糖尿病リスクを高める一因となっている。

 高脂肪・高カロリーな食事による過剰なエネルギー摂取は、肥満を招くだけでなく、インスリンの働きを低下させて高血糖を引き起こす原因となる。だが、脂質は細胞膜やホルモンの生成に欠かせない必須栄養素であり、一律にすべてを控えるという考え方は必ずしも適切ではない。

 2型糖尿病の発症と脂質摂取の関連を調査した大規模な研究報告によれば、総脂質摂取量と発症リスクとの間に明確な関連は認められなかった。一方で、摂取する脂質の「種類(質)」が発症リスクを左右することが示唆されている。

• 植物性脂肪:動物性脂肪より植物性脂肪を優先的に選んで摂取する食習慣は、2型糖尿病の発症リスク低下と関連している。海外のメタ解析1)では、植物性脂肪(植物油やナッツ類に豊富に含まれる)の摂取量が少ない人が、植物性脂肪の摂取を13g程度(オリーブオイルなら大さじ1杯弱、アーモンドなら約10〜12粒程度に相当)まで増やした場合に、最も顕著にリスクが下がる傾向が示された。これは日々の食事の脂質の摂取を、動物由来から植物由来のものに置き変える重要性を示唆している。

• 動物性脂肪:飽和脂肪酸を多く含むバターやチーズなどの摂取は、発症リスクの上昇と関連している。海外の研究データ2)では、これらを1日1サービング(バターなら約12g、チーズなら約30g程度)以上日常的に摂取する習慣がある場合、摂取量が最も少ない層(下位25%)に比べて発症リスクが高まることが示された。特にバターの摂取においては、リスクが約2倍にまで達したという報告もある。

 こうした知見を踏まえると、糖尿病の予防においては、単に脂質の量を極端に減らそうとするのではなく、肥満を防ぐための適正カロリーを維持したうえで動物性脂肪を控え、植物性脂肪を選ぶという「質の選択」が重要といえる。

オリーブオイル×軽い運動で「糖代謝」がスムーズに

 植物性脂肪の代表格であり、地中海食の要とされるオリーブオイル。糖尿病予防におけるその有用性は、これまで多くの研究で報告されている。2025年に発表された最新のメタ解析では3)、1日あたり10〜20gの習慣的な摂取が糖尿病リスクの低下に寄与することが示されているが、国内の最新研究では「運動」との組み合わせによる糖代謝への影響について実験が行われた。

 株式会社J-オイルミルズと仙台白百合女子大学、仙台大学による共同研究4)では、昼食時にオリーブオイルを摂取した場合と、一般的な植物油(菜種油)を摂取した場合で、その後の1時間のウォーキング中におけるエネルギー代謝の違いを検証した。

 その結果、オリーブオイルを摂取したグループは、菜種油を摂ったグループに比べて、運動中により多くの「糖」をエネルギーとして消費していることが確認された。

 本研究は被験者数が8名と限定的であり、健康な成人を対象とした初期段階の知見ではあるものの、摂取する植物油の種類による糖代謝の違いに焦点を当てた他、「何を食べるか」「どう体を動かすか」を個別に捉えるのではなく、両者の組み合わせでの相乗的な健康効果を検証した点でも興味深い知見である。

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実験で摂った食事はオリーブオイル・バゲット・コンソメスープ。

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※呼吸商は、糖質と脂質の使い方の割合。単位時間当たりのCO2排出量/O2消費量で計算され、1に近いほど糖質、0.7に近いほど脂質を多く使っていることを示す。

オリーブの日を機会に、油の摂り方を考える

 国内最大の産地である小豆島は「オリーブの島」として知られ、昭和天皇がオリーブの種子をお手まきされた歴史を持つ。その日を由来として制定されたのが3月15日の「オリーブの日」だ5)

 小豆島では例年この日に合わせ、食と健康を意識した取り組みが展開されている。2026年は3月14日(土)に「第4回ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 小豆島」を開催。ガストロノミーツーリズムとは、地域に根ざした食とその背景にある自然や歴史に触れることを目的とした旅の形態のことをいう。本イベントは、小豆島の食文化と温泉をウォーキングで結びつけたものであり、まさに「食」と「運動」の調和を体現する試みだ。

 参加者は、特産のオリーブをはじめ、素麺、醤油、佃煮、さらには地酒などの魅力を享受しながら島内を歩き、運動後の温泉によって心身のリカバリーを図れる。次回以降の参加に興味のある方は小豆島町役場 商工観光課に問合せを。

 「オリーブの日」を機に、日々の生活習慣を少しだけ見つめ直したいところ。例えば、動物性脂肪の多い洋菓子をナッツ等の植物性おやつに替え、サラダのマヨネーズを「オリーブオイルと少量の塩」で代用する。また、炒め物に使うラードやバター、サラダ油(菜種油)をオリーブオイルに切り替え、食後にウォーキングを意識する。まずは食卓の油を一本、オリーブオイルに変えるといった小さな変化からでもいい。自身の健康をいたわる習慣を今日からアップデートしてみては。

■参考

[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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