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2025年11月13日

【世界糖尿病デー2025メディアセミナー】血糖値の変動を知ることでQOLを上げる

 デクスコムジャパン社(浅野元社長)は11月5日、「世界糖尿病デー2025 メディアセミナー」を開催した。北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生による講演のほか、1型糖尿病患者でチャレンジャー/モデルとして活躍する星南氏、2型糖尿病の合併症により右腕を切断した佐野慈紀氏(元プロ野球選手)を交えてのトークセッションが実施され、血糖変動を知ることが糖尿病患者のQOLの向上に不可欠であるとの認識が確認された。

食後高血糖を把握することが治療の第一歩

 山田先生は、糖尿病に対する「自堕落な生活をしている人がなる病気」というイメージについて、「大きな間違い」であると強調。日本において肥満でない2型糖尿病患者が6割を占めるという事実や、自己免疫疾患である1型糖尿病の存在を挙げ、「糖尿病は誰もがなり得る病気」であるとの認識を広げる必要があると訴えた。

 また、40歳以上の日本人の2人に1人、高齢者では3人に2人が「食後高血糖」の状態にあるとし、カロリー制限や薬物療法に加え、食後の血糖変動を把握することが重要であることを指摘。「血糖値を測定することで、血糖コントロールの改善が期待できる」との研究結果も示し、CGMを活用して自身の血糖変動をリアルタイムで可視化することが、その後の行動変容につながり、治療の第一歩になると述べた。

病気を「敵」とするのではなく「味方」として寄り添う

 後半のトークセッションでは、スペシャルゲストの星南氏と佐野氏が、自身の病気の経験を基に、それぞれの思いを語った。 18歳で1型糖尿病となった星南氏は、「発症当初は病名も知らず、自分自身が病気について理解するのに時間を要した」と回想。しかし、現在はCGMとインスリンポンプを用いて24時間365日血糖コントロールを行うことで、「好きなものを食べながら、より健康的な選択ができるようになった」と語った。

 また、病気があることで人生が制限されるという社会の偏見に疑問を感じ、「1型糖尿病でも様々なことができる」という可能性を示すために啓発活動に取り組んでいると発言。「1型糖尿病を発症したことでより色々なことに挑戦したい、自身の命を活かしたいと考えるようになった」と心境の変化を語り、「病気を敵とするのではなく、味方として寄り添って歩んでいくことで、人生も明るくなっていくのではないか」との前向きなメッセージを送った。

 元プロ野球選手の佐野氏は、現役引退後に喉の渇きが止まらないため受診し、2型糖尿病と診断されたと経緯を説明。現役時代は自己流の食事管理と運動で体重を管理していたことから「自分で何でもコントロールできる」と過信していたと振り返り、「早い段階から(健康診断に)行っておけばよかったとすごく思う」と後悔をにじませた。また、慢性腎臓病などの合併症を発症し、透析療法も受けていることから、現在ではCGMも活用していると明かし、「(血糖の)数値が安定すると、気持ちもやっぱり安定する」と、継続的な血糖管理のメリットを語った。

CGM経験者の85.1%が「満足度が上がる」と回答

 CGMは血糖を24時間持続的に計測することを可能にし、低血糖や高血糖への対処が容易になるという点が特徴。血糖自己測定(SMBG)が一瞬の血糖値しか見えず「夜道を無灯火で走るような状態」に例えられるのに対し、CGMは血糖変動をリアルタイムで把握できる点が大きな優位性と考えられている。

 デクスコムジャパン社がインスリン治療を受けている20~80歳の1型・2型の糖尿病患者500名を対象に実施した調査によると、SMBGに満足していない患者の多くが「毎回の穿刺が面倒(91.2%)」「外出先などでは測定しにくい(82.4%)」「測定の手間が多い(64.7%)」といった不満を抱えているとのこと。これに対し、CGMを利用したことのある患者の85.1%が「満足度が上がる」と回答しており、その理由として「血糖値変動が見える安心感(78.2%)」や「低血糖・高血糖の予防につながる(57.5%)」、「穿刺しなくて済む(55.4%)」という利点を挙げていることが紹介された。

 CGMは日本においても、インスリンを使用する1型・2型糖尿病患者に保険適用されているが、2型糖尿病患者への普及は1割程度にとどまっているのが現実。これに対し山田先生は「現在の日本では保険適用の制限があるものの、インスリン注射をしている患者だけでなく、より多くの患者がCGMを使用できるようになることが望ましい」と強調し、血糖値をモニタリングすることの重要性について改めて説明した。

*『糖尿病患者の血糖管理実態とCGM(持続血糖測定)に関する調査』
・調査期間:2025年10月
・調査対象:日本全国、1型糖尿病・2型糖尿病のインスリン治療を受けている20-80歳の男女
・調査人数:500名
・調査方法:インターネット調査
・集計方法: 1型糖尿病・2型糖尿病各250ss (サンプルサイズ) となるように集計を実施

[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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