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2015年10月15日
乳がんを「自己チェック」して早期発見 糖尿病は乳がんリスクを高める
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乳がんの治療では、がんを部分的に切除し、乳房の変形が軽度になるようにかたちを整える「乳房温存手術」が増えている。乳がんを早期発見すれば、医師と相談した上でこの手術法を選べる可能性が高くなる。
入院期間や再発防止の治療期間なども短いので経済的負担も軽く済む。そのためには、乳がんを早期発見し、治療を開始することが重要だ。
しかし、2013年に実施された「国民生活基礎調査」によると、日本の女性の乳がん検診の受診率は43.4%と低い。がん検診の国際比較をみても、日本の乳がん検診は、OECD(経済協力開発機構)加盟国30ヵ国の中で最低レベルに位置している。例えば、米国では81.1%の女性がマンモグラフィー検診を受診しているのに対して、日本では23.8%にとどまっている。
米国国立がん研究所によると、マンモグラフィーでは乳がんの初期症状である微細な石灰化はよく見分けられ、被曝による危険性はほとんどない。しかし、正常な乳腺も腫瘍も白く映るため、がんが小さすぎると正常組織との見分けが難しい場合がある。
また、急速に増殖するタイプの乳がんもあり、がん細胞の分裂が速く1年で数センチになることもある。その場合、検査のタイミングが合わなければ早期発見は難しい。
乳がんは自分で気づきやすいがんなので、日常の自己チェックが早期発見につながりやすい。乳がん撲滅を目指すNPO法人「J.POSH 日本乳がんピンクリボン運動」はホームページで自己チェックの仕方を公開している。
同NPO法人は、乳がんの自己検診を月に1度は行うよう勧めている。特に閉経前の女性は、乳房の張りが少ない月経終了後1週間くらいの間に行う必要があるという。閉経後の女性は毎月、日にちを決めて行うと効果的だ。
(1)鏡の前で乳房や乳頭をよく観察する
えくぼのような形の変化、腫れ、ひきつれなどがないか確認する。
(2)小さなうずを描くように手を細かく動かす
指をおさえつけないよう、滑らすように動かし、しこりがないか確かめる。
(3)仰向けで腕を上げた状態で、外側から内側へ指を滑らせる
仰向けになると乳房のしこりを発見しやすい。見つけたら医療機関を受診し検査を受ける。
マンモグラフィーでは、触診でしこりとして触れないごく早期の乳がんも発見できる。乳がんは、外科(乳腺外来など)で検診・診療を行なう場合が多く、医療機関によっては婦人科、放射線科の場合もある。
NPO法人「日本乳がん検診精度管理中央機構」はマンモグラフィーが行える全国の医療機関のリストを公開している。
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はじめよう!月に一度のマンマチェック(J.POSH 日本乳がんピンクリボン運動)
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