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2012年03月14日
減量サプリメントのほとんどは効果なし「必要なものはこれ」
体重減少の効果をうたったサプリメントなどの健康食品がたくさん売られているが、米オレゴン州立大学の研究者は「そんな魔法のような手軽な薬はありません。減量に必要なのは運動です」との研究結果を発表した。
サプリメントは「副作用のおそれも」
米国のダイエットサプリメント業界市場規模は約200億円(2億4000万ドル)と推計される。オハイオ州立大学のMelinda Manore教授(健康・運動学)らは、サプリメントなどの健康食品に関する米国の研究論文の内容を検討した。
それによると、米国で売られている減量効果をうたうサプリメントなど健康食品は次の4種類に分けられるという。すなわち、▽キトサンなどコレステロールの吸収に関与するもの、▽カフェインやエフェドラなど代謝による熱産生を促すもの、▽共役リノール酸など体脂肪増加を抑制するもの、▽水溶性食物繊維のように脂質や炭水化物の吸収を遅らせるもの。
このうち減量効果が認められたのは緑茶、食物繊維のサプリメント、低脂肪の乳製品など少数で、減量効果は2キログラム(3〜4ポンド)程度だったという。しかも、食事のエネルギー量の管理がともなうとはじめて効果を得られた。
「体重や内臓脂肪を減らしたいと考えている人にとって、必ず効果があるというサプリメントは存在しない。減量のために必要なのは健康的な食生活や毎日の運動だ。健康食品や栄養補助食品に多大を期待をしない方がよいだろう」とManore氏は言う。
また、減量効果をうたったサプリメントなどは効果は大きくないのに比べ、副作用を看過できないと主張する。サプリメントによっては、摂取により腹部膨満感などの不快感があらわれる場合がある。脳卒中や心臓疾患といった重篤な疾患との関連が否定できないものもあるという。「これらを含むサプリメントの摂取は十分注意をするように」と注意を促している。
「どんな健康食品よりも、運動を毎日行う習慣の方が効果は絶大だ。適度な運動により体重を減らすことができる。運動により筋肉が強くなるとエネルギー代謝が向上するので、いっそう肥満になりにくくなる」としている。
食物繊維、カルシウム、蛋白質を十分にとり、緑茶をよく飲むことは、減量の助けになるかもしれない。しかし、野菜や果物を十分にとらず、運動をしないのであれば、減量効果を期待できなくなる。
肥満を予防する健康習慣
Manore氏は肥満を予防するために、次の健康習慣を勧めている――
- 朝起きたら1日の食事のプランを考えてみましょう。食事が行き当たりばったりであると栄養バランスが偏る傾向がみられます。
- 外食のときは、低いカロリーのドレッシングを加えたサラダや、ブイヨンをベースにしたスープから食べはじめる満腹感を得られやすくなります。スープとサラダ、前菜をメインにして、カロリーの高いメインディッシュは皿に小分けにするなどして工夫すると、食べすぎを防ぐことができます。
- 1日を座ったまま過ごすことが多い人は、なるべく立ち上がって歩くようにしましょう。電話を手元に置かないようにし受話器を歩いて取りに行ったり、会合は立ったまま行うなどして、座っている時間をなるべく減らしましょう。
- 毎食で野菜をとりましょう。野菜やフルーツを食卓に常備し、パスタのソースや肉料理にも積極的に野菜を取り入れましょう。
- 食物繊維の摂取を増やしましょう。食物繊維と水分を含んだ食品を食べると、例えばクラッカーよりもオートミールの方が、満腹感を得られやすいのでお勧めです。
- 野菜や果物はジュースではなく、実を皮ごと食べましょう。野菜全体を食べることで、かさが増えるので満足感を得られやすくなります。
- 加工食品をなるべく避けましょう。野菜を丸ごと食べた方が、加工食品より吸収されるカロリーが少なく太りにくいという調査結果もあります。
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日本医療・健康情報研究所
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