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2018年05月07日
大豆から食べる「大豆ファースト」で食後の血糖値の急上昇を改善
食後に血糖値が急上昇する「かくれ高血糖」は動脈硬化を進行させる。フジッコは、食事の最初に蒸し大豆を食べる「大豆ファースト」が、「かくれ高血糖」の改善に効果的であることを確かめた。「大豆ファースト」は誰でも簡単に実行できる食事法だ。
「かくれ高血糖」があると動脈硬化が進行
「血管が健康であるということは、しなやかさを保ち内壁がなめらかでプラークがなく、血液をスムーズに循環させる力をもつ状態にあるということです」と、「血管」の名医として知られる池谷医院(東京都)の池谷敏郎院長は言う。
食後に血糖値が上昇すると、通常であればインスリンが分泌されて上昇を抑えてくれる。ところが、「かくれ高血糖」(食後高血糖)のある人はインスリンの追加分泌が追い付かず、食後に血糖値が上昇し、1日を通して血糖変動の幅が大きくなる。血糖値の乱高下を繰り返していると、深刻な血管疾患を発症するリスクが高くなる。
「かくれ高血糖があると、糖尿病患者に匹敵するスピードで動脈硬化が進行します。そうなると冠動脈疾患、脳卒中、全心血管疾患のリスクがそれぞれ上昇します」と、池谷院長は言う。
健康診断では「かくれ高血糖」はみつけにくい
「大豆ファースト」は「かくれ高血糖」を改善する
「かくれ高血糖」対策として効果的なのは、(1)炭水化物(糖質)の過剰摂取を抑える、(2)野菜などから食べ始めるベジファーストを行うことだという。水溶性食物繊維や大豆タンパクの豊富な食事を心がけると満腹感を得やすくなる。加えて、毎食後に軽い運動をする習慣を身につけると効果的だ。
池谷院長は、食事の際にまず大豆から食べる「大豆ファースト」を自身で5年間続けている。この食事法で、筋肉量を維持したまま、無理なく減量できることを確かめた。肥満のある人、血糖値やコレステロール値、血圧が高めの患者などにも勧めているという。
「食物繊維が豊富な食品を最初に食べると、血糖値の急上昇や脂質の吸収を抑えられます。ベジタブルファーストも良いですが、大豆には食物繊維に加え、有益な栄養素が豊富に含まれています」(池谷院長)。
「大豆ファースト」の食後血糖値上昇抑制効果を確認
「大豆ファースト」は毎日の生活に取り入れやすい
蒸し大豆100gに食物繊維が8.8g含まれており、これはゴボウ100gに含まれる量よりも多い。大豆に含まれる食物繊維は、水溶性と不溶性のバランスが良く、食後の血糖値の上昇を抑えるだけでなく、腸内環境を整える効果も期待できる。
さらに、大豆には良質なタンパク質や大豆イソフラボンが多く含まれるのに加え、リノール酸やオレイン酸などの体に良い不飽和脂肪酸も豊富に含まれる。
池谷氏は毎日簡単に続けられる「大豆ファースト」実践メニューとして、「ヨーグルトの蒸し黒豆添え」と、「蒸し大豆と野菜ジュースのスープ仕立て」を紹介した。「大豆ファースト」を単発ではなく、習慣にすることが大切だという。そのためには極力簡単に作れるメニューが良い。
「大豆ファーストはふだん食べている料理に加えるだけなので簡単に実行できます。毎日の生活に取り入れやすい方法です」と推奨している。
蒸し大豆
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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