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2015年05月08日
緑茶とコーヒーを飲むと心臓病や脳卒中のリスクが低下 JPHC研究

平均19年の追跡期間中に1万2,874人が亡くなったが、その内訳は5,327人ががん、1,577人が心疾患、1,264人が脳血管疾患、783人が呼吸器疾患、992人が外因による死亡だった。

なぜ緑茶を摂取すると死亡リスクが低下するのか? 研究チームは、(1)緑茶に含まれるカテキンに血圧や体脂肪、脂質を調節し、血糖値を改善する効果がある、(2)緑茶に含まれるカフェインが血管内皮の修復を促し、血管を健康に保つ、(3)カフェインに気管支拡張作用があり、呼吸器機能の改善効果がある――と説明している。
また、緑茶を摂取すると女性の外因死リスクが低下する傾向がみられる点については、緑茶に含まれるテアニンやカフェインが認知能力や注意力の改善に効果があるのではないかと推測している。別の研究では、緑茶と女性の胃がんリスク低下との関連も示唆されているという。
その結果、コーヒーをほとんど飲まないグループを基準として比較した場合、全死亡リスクは1日1〜2杯飲むグループでは「0.85」、3〜4杯飲むグループでは「0.76」になった。つまり、コーヒーを1日1日1〜2杯飲む人と3〜4杯飲む人の死亡リスクは、全く飲まない人に比べそれぞれ15%、24%低いことになる。

研究チームは、血糖値を改善し、血圧を調整する効果があるとされているクロロゲン酸や、血管内皮の機能を改善する効果があるとされているカフェインがコーヒーに含まれていることが、今回の結果につながったのではないかと推測している。
なお、コーヒーを飲むと肝がん、膵がん、女性の大腸がんと子宮体がんのリスクが低下するとの研究報告もあるという。
多目的コホート研究「JPHC Study」(国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究グループ)
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