尿糖チェックで糖尿病コントロール
2010年10月04日
尿糖測定に関するアンケート調査:医療スタッフ(2)
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勤務先の医療機関で、約6割の方が、尿糖自己測定を行っている患者さんがいるとの回答でした。しかし、患者さんの9割が"とくに相談したことがない"としていることからも、実際、行っているかを医療スタッフが"確認していない"場合が多く、実態の把握はあまり行われていないようです。
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約3割の方が勧めたことが"ある"と回答しました。職業別では、医師の約2割、看護師の約3割、臨床検査技師の5割、CDEの約3割が"勧めたことがある"とのことで、総合病院に勤務されている方が65%で最も多く、17%が一般の診療所でした。 また、'糖尿病教室で紹介したことがある'というコメントも。
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どのような患者さんにSMUGを勧めるか、については、"SMBGが保険適用されない糖尿病患者さん"が最も多く約6割、"食後高血糖が予測される患者さん
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約半数の方が、直接、"血糖値がわからないので評価がしづらい"とし、尿糖測定の上手な活用法について周知が行われていない状況がうかがわれます。また、"測定結果の信憑性に疑いがある""きちんと治療を受けず、セルフメディケーションで済ませる人が増えるかもしれない"といった危惧も約4割の方が持たれているようです。
- 一定の臨床的意義を理解して使用しないと、誤った理解をする場合があり注意が必要。
- 目視が一番安くできるが判定に不安が残る。測定器は高価で病院で販売ができないし…。
- テレビではカップに尿を採らずに、直接尿を試験紙にかける方法を紹介しているので、患者さんが誤解をしてしまうケースが出てくると思われる。SMUGの基本的な操作方法を統一する必要があると思う。
- 高齢者でHbA1cが8%以上とコントロール不良の人には、侵襲が全くないので有用性はありそうだと思われます。
- SMUGは、高血糖の有無・程度がSMBGに比べ簡便に分かるのが利点であるが、当院ではSMUGよりSMBGを選択する患者さんが圧倒的である。理由として、低血糖の有無・程度がわからず不安があること、また血糖のコントロールが良いときは(−)でしか表現されないので面白味に欠けるのが挙げられる。「どうせやるなら」色々分かったほうが、面白く、継続出来るという言い分に、私も共感を覚えている。
- 尿糖自己測定を自費でしようという方は、もともと改善意欲のある方なので、HbA1cも改善することが多いですが、改善意欲に乏しい方でも尿糖測定に興味を持ってもらえるよう医療保険の対象になってほしいです。
- 痛みが無いので非常に良い検査だと思います。が、尿糖がでない方やそこまで改善した方はモチベーションを保つのが難しい場合があります(ずっとマイナスでも続けて居る方もいます)また、測定するだけで「なぜ?」に繋がらない場合は改善のきっかけにはなかなかならないかもしれません。視力の悪い方、色盲の方など難しい方の例もいらっしゃいます。
- 血糖値や治療効果との関係が良くわからない。糖尿病疑いの人を引っ掛けるためのスクリーニング用ではないのか?
- 糖尿病教室で血糖値の変化がつかめているコントロールしてくれそうな患者様には紹介の形で進めています。
- 患者さんによる自己管理に役立つと思われるし、SMBG適応でない患者さんにすすめられると思いました。いままでは、自費でSMBGの機械を購入してもらったりしていましたが、几帳面な患者さんでは、血糖値の細かい数値も気にしすぎてしまうので、尿糖測定のほうが良い面もあると思います。このアンケートで尿糖試験紙のほうがリーズナブルだなと気がつきました。
もくじ
※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。
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