尿糖チェックで糖尿病コントロール
2010年10月04日
【医療スタッフ】アンケートのまとめ
- 「血糖自己測定が保険適用されない糖尿病患者さんに対して、日常行う食事療法や運動療法に対する血糖コントロールのチェック、振り返り(評価)として、どのようなことを目安にするよう指導しているか?」では、“とくに指導していない”が最も多く、45%でした。実際、患者さんの同質問で、3人に1人が日常的なチェックを“とくに行っていない”と回答しており、HbA1cを改善するのに、“日常的に目に見える目安がないので、どの程度頑張ればいいのかわからない”と答えています。【Q1】
- 「患者さんがHbA1cを下げるのが難しい理由」として、“自覚症状があまりないので、すぐに行動に結びつかない”が83%と最も多い結果でしたが、患者さんへの同様の質問では“食事療法がうまくいかない”が最も多く57%で、“自覚症状がないので〜〜”は22%と下位でした。【Q2】
- 尿糖自己測定の認知について伺ったところ、“知っている”と回答した方は66%(患者さんは51%)でした。さらに、約2割の方が、"まったく知らない"とのことでした(そのうちの4割は医師)。その情報源では、“学会・研究会”が約半数、“メーカーによる”ものが約4割。また、“患者さんから聞いた”という医療スタッフが1割強おられたのは、興味深い回答かもしれません。ちなみに、患者さんでは、医療機関などでの人づてよりも、ネットを中心としたメディアや資料などが情報源となっていました。【Q4】
- 尿糖自己測定について、診療や指導の中で、約6割の医療スタッフが“とくに相談を受けたことはない”と答えました。患者さんの9割が医療スタッフに“相談したことがない”、尿糖自己測定を実施している患者さんの75%が“質問・相談したことがない”と回答していることから、患者さん自身から医療スタッフに話題を持ち出す機会が少ないことも影響していると推測されます。ちなみに、“基本的な質問を受けたことがある”と答えた4割が糖尿病療養指導士(CDE)を保有する専門の医療スタッフでした。【Q6】
- 勤務先の医療機関で、約6割の方が、尿糖自己測定を行っている患者さんがいるとの回答でしたが、実際、行っているかを医療スタッフが"確認していない"場合が多く、実態の把握はあまり行われていない。【Q7】
- 患者さんに尿糖自己測定を勧めたことがある方は、約3割。適用者として“SMBGが保険適用されない糖尿病患者さん”が最も多く約6割、“食後高血糖が予測される患者さん”、“食事療法の振り返りが必要な患者さん”が半数、“HbA1cがなかなか改善されない患者さん”が上位にあがりました。【Q8・Q9】
- 尿糖自己測定での指導の中で、約半数が“起床時”の測定を勧めていると答え、実際の測定法についての理解不足が浮き彫りになりました(尿糖測定の実施経験のある患者さんも、約半数が"起床時"の測定と回答)。【Q12】
- 医療スタッフの約半数が、尿糖自己測定を行ったことにより血糖コントロールが“改善することが多い”と回答し、評価の指標となるHbA1cの改善がみられたとの実感がうかがわれました。また、「尿糖自己測定を行ったことでの患者さんの"変化"について」、約7割の方が、“療養生活へのモチベーションが以前より上がることが多い”、約6割が“食事療法への関心が以前よりも強くなることが多い”と、患者さんの意欲向上を感じておられることがわかりました。【Q13・Q14】
もくじ
※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。
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