尿糖チェックで糖尿病コントロール
2010年10月04日
監修者から
東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科
宇都宮一典
宇都宮一典
尿糖自己測定は、食後の血糖状態を簡易に知ることができる点が特徴です。食事内容や運動などによって、血糖が変化することも体験できます。しかし、あくまで間接的な指標ですから、活用方法に工夫が必要です。何時どのような状態で測定すればよいか、医療者サイドの指導も徹底していないのが現状ではないでしょうか。 この点は、実際に尿糖自己測定をなさっている方の半数以上が、起床時の尿糖をチェックされていることをみるとわかります。 必ずしもその意義が正しく認識されておらず、このことが尿糖自己測定の普及にネックになっているのではないかと感じます。 しかし、自宅で尿糖を簡易に測定できることは、多くの方に知られているようです。また、日常血糖を管理する上で自覚症状がなく、血糖自己測定以外の指標がないことが支障になっている事実も伺われます。そして、尿糖測定は痛みがなく、試験紙や測定器は比較的容易に入手でき、血糖測定に保険が適応されない場合でも活用できるなどの利点は理解されています。 患者さんの尿糖への関心は高く、受診時の尿糖の有無はよく質問されます。中にはHbA1cが高いことを告げても、当日の尿糖が陰性であると安心される方もいます。
今後、尿糖自己測定の意義について、患者・医療者双方に正しく啓蒙する必要があると考えます。 *この調査結果を解釈するにあたり、対象者の40%がインスリン注射中であったことに留意すべきでしょう。インスリン療法を行っている患者さんに、医療者が尿糖自己測定を指導することはなく、患者さん自身も尿糖測定の利点を感じることは少ないと思われるからです。
もくじ
※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。
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