第2回 間食を賢く取り入れ、太りにくいからだを作る

管理栄養士 足立香代子先生
2019年9月24日

「おやつ・間食=太る」という常識は、誤解があるかもしれない。最近、注目されている「ヘルシースナッキング」は、間食を賢く取り入れることで太りにくいからだを作る食習慣。「ヘルシースナッキング」のやり方は簡単で、いくつかのルールを守るだけ。間食にどんなものを、どんなタイミングで食べるとよいのか。「エネルギーや糖質をガマンする食事制限やダイエットは長く続かない。どのように上手いタイミングで食べるかということ、どうしたら血糖値が上がらないかを考えればよいだけ。そうしたら自然と過食にならない」と管理栄養士の足立香代子先生は話す。
第2回目は、「最新!太らない間食」の著者でもある足立先生に、太りにくいからだを作るための間食の実践的なアドバイスをいただいた。

情報をアップデートしよう

間食をとることで「健康になれる」といわれても、多くの人はまだ半信半疑かもしれません。これまで、ダイエットのためには「エネルギー制限」が必要だとずっと考えられてきました。「太るから油を避けましょう」「糖質を制限しましょう」「1日何キロのエネルギーに抑えましょう」「甘いものは控えましょう」というように、とにかく「制限」ありきでした。
けれど、それではストレスが溜まるばかり。また、エネルギーだけを見ていると、必要な栄養素がとれなくなってしまいます。結局のところ、健康的な食事とはどのようなものなのか、何を食べたらよいのか、わからなくなってしまっている人も多いはずです。

ほんとうなら、ガマンせずに栄養も過不足なくとることができて、太らない食事ができるのが一番。私は、空腹をガマンするくらいなら、誰にでも間食をお勧めしたいと思っています。正しい間食はドカ食いを減らすことになり、むしろ太りにくい体になります。ただし、何でも好きなだけ食べてよいわけではなく、正しい間食には適したタイミングや適した食材があるということです。

食や栄養に関する常識は、科学の進歩とともに変わっていきます。過去のダイエット情報は一度忘れて、情報をアップデートしていきましょう。

だから間食はとったほうがいい! ヘルシースナッキングのメリット4つ

間食というと、お菓子、デザートなどの甘いものが思い浮かびます。いかにも太りそう......、と思いがちですが、間食のよいところは、極端な空腹時間を作らないこと。その利点を生かして、選び方や食べ方を工夫すれば、むしろ太りにくいからだになれるのです。間食で小腹を上手に補うと、心にゆとりが生まれ、食欲を抑えることにつながります。1日の総摂取エネルギーも、適量で満足できるようになります。ヘルシースナッキングが、ダイエットにも健康にもよい理由を説明しましょう。

1. 空腹によるドカ食いを防ぐ

ヘルシースナッキングを実践する上で、とても重要になるのが「血糖値」です。血糖値とは、血液の中の糖分(ブドウ糖)の濃度のこと。糖分はからだに必須の栄養素ですので、糖分を含む食事や飲み物をとると、誰でも血糖値が上がります。しかし、食べすぎや飲みすぎ、早食いなど、食べ方に無頓着でいると、食後高血糖(血糖値スパイク)という状態が起こり、これが肥満をはじめ、様々な不調や病気を招く原因にもなります。血糖値についての正しい知識を持つことは、とても大切です。

食後血糖とインスリンの仕組み

血糖値は、食事をすると上がります。すると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、血糖値が下がります。問題なのは、血糖値を急上昇させてしまうような食べ方。糖質が多く、消化吸収が早い食べ物では、血糖値が急激に上がり、急上昇した血糖値を下げようとインスリンが多く分泌され、血液中の余分な糖(ブドウ糖)が脂肪細胞に蓄えられます。血糖値は急激に下がり、また空腹を感じます。空腹時間が長くなると、甘いものが無性に欲しくなったり、ドカ食いにつながりやすくなる。こうした食生活こそ、肥満の原因です。

間食を上手に取り入れ、食事を分けてとることで、そうした「ドカ食い」を防ぐことができます。

2.食後の血糖値の急上昇を抑えて脂肪を溜めにくい体に

空腹の時間を作らないようにすることで、食後の血糖値の急上昇を抑えることができます。結果として、インスリンが過剰に分泌されるのを防ぎ、ブドウ糖を体脂肪として溜め込むのを防ぐことにつながります。

間食と血糖値の変動

3.食後の眠さ、だるさを防ぎ集中力を維持できる

お腹が空きすぎると、頭がぼーっとすることはありませんか? これは、血糖値が下がっているサイン。空腹時間が長すぎると、血糖値が下がり、脳の働きが悪くなってきます。それでも「太るからガマン、ガマン」と耐えていると、ストレスが溜まり、仕事や勉強どころではなくなります。少しお腹を満たす間食をとるだけで、ストレスを貯めずに低血糖の状態を防ぐことができます。間食は、集中力を保つのにも一役買ってくれます。

4.不足しがちな栄養素を補える

忙しい毎日で、お腹を満たすだけの食事になっていませんか。現代人の多くは、タンパク質や食物繊維やカルシウム不足。それが、不調や太りやすい原因にもなっています。ご飯や麺類などには糖質が多く含まれていますが、糖質をエネルギーとして消費しやすくするには、ビタミンB1が必要です。また、脂質の代謝にはビタミンB2が必要です。つまり、食べ合わせによってエネルギーが利用されやすくなったり、利用されにくくなったりします。間食は手軽な栄養補給のチャンス。有効活用しましょう。

どうしたら太らない間食になるか。間食選び・食べ方のコツ

間食がなぜ体によいのかが理解できたら、早速、実践していきましょう。

基本ルールは3つ
  • 糖質の少ないおやつを選ぶ
  • 栄養補給を考えて選ぶ
  • 1日200kcal程度に

何を食べる?

間食=お菓子という制限をなくして、間食=ごく軽い軽食と発想を切り替えましょう。選ぶ食品がぐっと増え、間食が栄養補給タイムになります。

まず選びたいのは、タンパク質や脂質が豊富な食材。例えば、糖質の多い菓子パンや和菓子などよりも、ヨーグルトやチーズ、フランクフルトソーセージなどを選んだ方が、血糖値が急上昇せず、腹持ちがよく、そして1日の食事の栄養バランスもよくなります。
糖質の多いおやつを「食べてはいけない」ということはありません。詳しくはこの後、説明しますが、糖質が含まれていてもタンパク質や脂質が含まれていれば、血糖値の急上昇が起こりにくくなります。
食物繊維を多く含むものもお奨めです。胃での滞留時間が比較的長い、よく噛む必要がある、腸での糖質の吸収を妨げるといったメリットがあります。

推奨おやつ

ゆで卵、ナッツ類(無塩がオススメ)、乳製品(ヨーグルトやチーズなど)、大豆製品(豆腐、枝豆など)、魚肉ソーセージ、フルーツ(甘い割に血糖値を上げにくい)、ドライフルーツ、乾物(あたりめ、チーズたらなど)、野菜ステイック、おにぎり(玄米、具にシャケ、明太子など)

いつ食べる?

ポイントは、小腹が空く前に食べること。炭水化物(糖質)は胃での消化が早く、1〜2時間でお腹が空いてしまいます。消化に時間がかかるタンパク質でも4時間程度です。ですから、食後3〜4時間経ったら何か食べておくというサイクルがよいでしょう。働いている人ではランチ〜夕食の間隔がどうしても長くなるので、午後3〜4時ごろを軽食タイムにするとよいでしょう。

どれくらい食べたらよい?

間食も、やはり適量であることが大切です。1日約200Kcal程度を目安にするのをお勧めします。ショートケーキなら半分ぐらい、りんご2個という分量です。でも、たまにはダイエットを忘れて甘いものが楽しみたい日もあるでしょう。そんな時は、週1回程度のご褒美として、空腹時ではなく食後のデザートにしましょう。

少量でも満足できる食べ方のコツ
  • 間食は1日の量を小分けに取り分けておく
  • 好きなおやつの買い置き・買いだめはしない

2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した
「NGSP値」で表わされるようになりました。過去の記事はこの変更に未対応の部分があります。

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