33. 小児2型糖尿病

2014年11月 改訂

監修
東北大学名誉教授 後藤由夫先生

編集
財団法人東京都予防医学協会 大和田操先生


はじめに

 このページを見ているあなたは今、どんな状況にあるのでしょうか。糖尿病と診断されたり、糖尿病かもしれないといわれたお子さんの保護者の方でしょうか? それとも、その本人(小中学生)でしょうか?
 いずれにしても、「病気らしい症状はなにもないのに、どうして糖尿病を心配しなければいけないのだろう」と不思議に感じている人が多いのではないかと思います。そんな人に、まずなにより知っていただきたいことは、「症状がないからといって、絶対に糖尿病を無視しないでほしい」という一点です。
 このページは、なぜ糖尿病を無視してはいけないのか、その理由〈わけ〉を理解していただくためのものです。

糖尿病は、大人だけの病気ではありません

 糖尿病には大きく分けて、1型、2型という二つのタイプがあります(囲み記事参照)。このページで取り上げているのは、2型糖尿病です。
 2型糖尿病は大人に多い病気です。でも、「子どもだから2型糖尿病にはならない」とはいえません。社会環境の変化とともに、大人の糖尿病は年々増えていますが、子どもの2型糖尿病も増加傾向がみられ、日本の小児では1型よりも高い発症頻度が示されています。患者数は、小学生10万人あたり1人弱、中学生では同4〜7人です。
    糖尿病の二つのタイプ

     1型糖尿病は、大部分が免疫機序の異常によって発病し、インスリンの分泌がなくなってしまうタイプの糖尿病です。治療にはインスリン療法が欠かせません。小児・若年期に多く発病します。1型糖尿病の発病には人種差があり、日本人では1年間に10万人あたり1〜2人の発病で、欧米人に比べて著しく少ないです。
     2型糖尿病は、遺伝的な体質に生活習慣によるからだへの負担が重なって発病するタイプです。インスリン分泌が全く途絶えるのではなく、分泌量の減少やインスリン抵抗性によって血糖値が上がります。治療は食事・運動療法が基本です。
     日本の小学生では2型糖尿病に比べて1型糖尿病のほうが多いですが、中学生になると2型糖尿病の比率がずっと高くなります。なお、インスリン分泌が発病後しばらくは保たれていても、分泌量が少しずつ減少し、やがてインスリン療法が欠かせない状態になる「緩徐進行型1型糖尿病」というタイプもあります。


小・中学生10万人あたりの2型糖尿病の発症頻度の年次推移

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