33. 小児2型糖尿病

2014年11月 改訂

治療の成果は検査で確認します

HbA1c6.5%未満をめざして

 2型糖尿病は自覚症状がほとんどないので、治療が十分かどうかは検査をしないとわかりません。治療効果(血糖コントロールの良否)は、HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)という検査で確認します。理想的にはHbA1c6.5%未満が治療の目標です。

「尿糖陰性=糖尿病が治った」は間違い

 糖尿病の理解が不足している人の中には、尿検査で糖が出なくなれば糖尿病が治ったと思い、自己判断で治療をやめてしまう人がいますが、これは正しくありません。尿糖が出る出ないというのは、検査前数時間の血糖状態を反映したものにすぎず、糖尿病でも、食前などの血糖値が低い時間帯には、尿糖が出ないこともあります。
 糖尿病はあくまで血糖値をもとに考える病気です。尿糖が陰性になったからといって、糖尿病が治ったわけではないことを、よく理解してください。

血糖値が下がっても糖尿病を忘れないで

 小児2型糖尿病では、インスリンの分泌能力は正常なことが多いので、肥満や肥満気味の場合には、それを改善することで血糖値が下がってきます。そのときに大切なことは、血糖値が下がったからといって糖尿病を無視してはいけないということです。
 いったん血糖コントロールが改善すると、糖尿病が完治したと思い、それきり通院しなくなることがしばしばあります。しかし、一度糖尿病と診断されるほど血糖値が上がったのは、その人(子ども)が糖尿病体質だからです。糖尿病体質そのものは変えることができません。通院をやめるとしばらく経つうちに、知らず知らず血糖値が高くなっていることが多いものです。
 ですから、薬を飲まずに血糖値をコントロールできていても、糖尿病を忘れることなく、通院を続けるようにしましょう。もし定期的に通院できないのであれば、ふと思い出したときだけでもよいので病院へ行ってください。

保護者の方へ、とくに伝えたいこと

 子どもの糖尿病の治療で最初にポイントとなるのは、保護者の方が子どもの病気を受け入れられるかどうか、という一点です。保護者が子どもの病気を受容できなければ、子どもの治療は非常に難しくなります。
 糖尿病といっても、食事に気をつけたり、必要に応じて薬を使用するだけで、それ以外のことはほかの子どもたちと全く変わりなく過ごすことができるのです。それなのに病気を認めようとせず治療を怠ると、何年か後に合併症を起こして、取り返しのつかない事態を招くことになりかねません。
 逆に、子どものことをかわいそうだと思って、過保護になるのもよくありません。今は保護者の手を借りていても、数年後には自分自身で糖尿病を管理することになるのですから、子ども自身ができることは、少しずつ本人にさせるようにしてください。また、過保護や過干渉に気をつけることは、子どもが人間的に健やかに成長するためにも大切なことです。
 糖尿病を無視せず、糖尿病にとらわれすぎず、自然なかたちで受け入れられれば、きっと治療はうまく進むことでしょう。

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