ニュース
2023年08月16日
朝食欠食が糖尿病リスクを上昇 朝食を食べない人に共通する生活スタイルは?

朝食を食べないことは、2型糖尿病・肥満・脂質異常症・高血圧などと関連することが、さまざまな研究で示されている。朝食欠食により体重が増えやすくなり、筋肉は減り、糖尿病リスクが上昇することも分かっている。
朝食を欠食することの多い人は、▼外食の頻度が高い、▼インスタント食品の利用が多い、▼就寝時間が遅い、▼1人暮らし――といった共通する生活スタイルをもっていることが、40~74歳の男女11万人超を対象とした研究で明らかになった。
「朝食を食べない理由のひとつに、十分な時間がないことが考えられます。朝食をしっかりと食べるように改善していくために、包括的なアプローチが必要です」と、研究者は述べている。
朝食欠食に影響する共通する生活スタイルは?
朝食を習慣的に食べない「朝食欠食」は、とくに若年の男性で多くみられ、ダイエットを目的に積極的に行っている人もいる。 朝食を食べないことは、肥満・脂質異常症・高血圧・2型糖尿病などと関連することが、さまざまな研究で示されており、食事指導でも重要とみられている。名古屋大学の研究でも、朝食欠食により体重が増えやすくなり、筋肉は減り、糖尿病や肥満のリスクが上昇することが示されている。 朝食欠食に影響する共通する生活スタイルを明らかにすれば、食事を改善するために、より効果的で包括的なアプローチをとれるようになる可能性がある。 そこで大阪大学や国立がん研究センターなどの研究グループは、対象となった全国7都府県の16市区町村に2011年~2016年に在住していた40~74歳の男女11万2,785人(男性 5万1,952人、女性 6万833人)を対象に、朝食摂取の状況と他の食行動および生活スタイルについて調査した。 次世代多目的コホート研究「JPHC-NEXT」は、日本人の生活習慣・生活環境に関するアンケート情報・健診情報・遺伝子解析結果・追跡情報などを活用した医学的研究。国民の健康の維持・増進、脳卒中・心筋梗塞・がんなどの予防や治療に役立てることを目的としている。 その結果、朝食を欠食することの多い人は、▼外食の頻度が高い、▼インスタント食品の利用が多い、▼就寝時間が遅い、▼1人暮らし――といった共通する生活スタイルをもっている傾向があることが明らかになった。
朝食を欠食する人は、外食やインスタント食品を食べる頻度が高い
朝食を欠食する人は、男女ともに就寝時刻が遅い傾向もある


出典:国立がん研究センター、2023年
関連情報
朝食を食べない理由は「時間がないから」?

Dietary behaviours and related lifestyles according to the presence or absence of skipping breakfast in Japanese adults: the JPHC-NEXT study (Public Health Nutrition 2023年2月13日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
食事療法の関連記事
- 魚を食べている人は糖尿病リスクが少ない 魚は脳の健康にも良い 中年期の食事改善は効果が高い
- 朝食をしっかりとると糖尿病が改善 血糖管理に大きく影響 朝食で「お腹ポッコリ」肥満を予防
- 「超加工食品」の食べすぎは糖尿病リスクを高める 筋肉の質も低下 「自然な食品」はリスクを減らす
- 糖尿病の食事に「ブロッコリー」を活用 アブラナ科の野菜が血糖や血圧を低下 日本でも指定野菜に
- 糖尿病の人はビタミンやミネラルが不足 「食の多様性」が糖尿病リスクを下げる 食事バランスを改善
- 糖尿病の人は脂肪肝にご注意 ストレスはリスクを高める 緑茶を飲むと脂肪肝が減少
- 「玄米」で糖尿病を改善 食事では「低GI食品」を活用 血糖値を上げにくい新しい米を開発
- ウォーキングなどの運動は糖尿病の人に良い 運動で食欲も抑えられる 認知症の予防にもつながる
- アルコールの飲みすぎは危険 糖尿病・高血圧・肥満のある人は肝臓病リスクが2.4倍に上昇 飲酒により糖尿病リスクが上昇
- 【Web講演を公開】2月は「全国生活習慣病予防月間」
今年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」