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2023年05月18日

なぜ「夜遅い時間の食事」は糖尿病に良くない? 夜中にお腹が空いたときは何を食べると良い?

 夜遅い時間に夕食や間食をとると、空腹感が増し、消費カロリーが減少し、脂肪が体にたまりやすくなることが、明らかになっている。

 とくに糖尿病のある人が、夕食のタイミングが遅いと、睡眠と覚醒のサイクルを調整しているホルモンであるメラトニンの分泌も乱れやすくなり、さらにはインスリン値が低下し、血糖値が高くなりやすいという研究も発表されている。

 「夜にお腹が空いて耐えられないという場合は、低糖質・低カロリーのスナック、たとえばヨーグルトやチーズ、セロリ・ニンジン・キュウリ・サラダ菜などの野菜、少量のナッツなどを食べることをお勧めします」と、専門家はアドバイスしている。

夜遅くに食べると空腹感が増し、体に脂肪がつきやすくなる

 夜遅い時間帯に夕食や間食をとると、空腹感が増し、消費カロリーが減少し、脂肪が体にたまりやすくなることが、米国のブリガム アンド ウィメンズ病院の研究で明らかになっている。

 食事の時間が4時間、後ろにずれただけで、空腹感、食後のカロリー燃焼、体の脂肪の蓄積などに大きな変化があらわれるという。

 研究グループは、体格指数(BMI)が高く、過体重や肥満と判定された16人の患者を対象に、2つの実験プロトコルに参加してもらった。1つは早い時間帯に食事をするようスケジュールを厳格に管理し、もう1つはまったく同じ食事をそれぞれ4時間、後に遅らせるようスケジュールを変えた。

 その結果、食事の時間を遅らせることで、空腹感と食欲を調節しているホルモンであるレプチンとグレリンの分泌に大きな変化があらわれ、食欲に影響が出てくることが明らかになった。

 レプチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンで、食欲をコントロールする働きをする。食べ過ぎると脂肪が体にたまり肥満になる原因のひとつは、レプチンの働きが不足するからだ。また、グレリンは、胃から分泌される食欲ホルモンで、食欲亢進や体重増加に影響する。

 参加者が食事のタイミングを4時間、後ろにずらしたスケジュールで過ごしたときには、レプチンの分泌が減少しただけでなく、日中のエネルギー消費も低下し、カロリーをより遅い速度で消費するようになった。

夜遅くに食べると睡眠ホルモンも乱れやすくなる

 糖尿病の人が夜遅い時間に食事をすると、睡眠と覚醒のサイクルを調整しているホルモンであるメラトニンの分泌が乱れやすいことが、米マサチューセッツ総合病院やスペインのムルシア大学などによる別の研究で示されている。

 研究グループは、スペインの成人845人を対象に、ランダム化クロスオーバー試験を実施。参加者に、8時間絶食しもらった後で、通常の就寝時間よりも早い時間に食事をしてもらい、次に遅い時間の食事をしてもらった。

 その結果、夜の早い時間と遅い時間に食事をしたときを比べると、血液中のメラトニン濃度は3.5倍の違いがあることを確認。夕食のタイミングが遅いと、インスリン値が低下し、血糖値が高くなりやすいことも分かった。

 「糖尿病の人が、遅い時間に食事をすると、全体に血糖コントロールが乱れやすいことが分かりました」と、ムルシア大学生理学部のマルタ ガラウレット教授は言う。

 「とくに遺伝子のメラトニン受容体の変異をもつ人は、2型糖尿病のリスクが上昇しやすいことも分かりました。この遺伝子変異を、およそ半分の人がもっています」としている。

 「糖尿病のある人は、夜にとくにカロリーの多いファストフードやジャンクフードなどの加工食品を食べるのを控えた方が良いです。先進国ではそうした食品の消費が多く、3分の1の人が就寝に近い時間に食べる習慣があります」としている。

夜中にお腹が空いたときは何を食べると良い?

 米メイヨークリニックも、「糖尿病とともに生きる人は、夜遅い時間の食事には注意が必要です」と呼びかけている。

 「糖尿病がある人は、夜食は必ずしも禁止されているわけではないしても、食事でより健康的な選択をすることをお勧めします」と、同院の糖尿病グループの内分泌代謝を専門とする医師であるレジーナ カストロ氏は言う。

 「夜食で余分なカロリーを追加すると、体重増加につながるおそれがあります。また、夕食後の就寝前に間食をとると、とくに糖質の多い食物を食べると、翌朝に血糖値が上昇するおそれがあります」。

 夕食後に耐えられない空腹を感じているときは、まずコップ1杯の水を飲むことを勧めている。喉の渇きが空腹感につながっている可能性があるという。

 それでもお腹が空く場合は、低糖質・低カロリーのスナック、たとえばヨーグルトやチーズ、セロリ・ニンジン・キュウリ・サラダ菜などの野菜、少量のナッツなど、タンパク質や食物繊維が豊富に含まれるものを食べることを勧めている。

 「なお、インスリンなどの血糖値を下げる薬を使用している人は、夜間の低血糖を治療・予防するために、就寝前に間食をとる必要がある場合もあります」と、カストロ氏は付け加えている。

 「低血糖が頻繁に起こる場合は、かかりつけの医師に相談してください。低血糖が起こらないようにするため、薬の用量などの調整が必要となる場合もあります」としている。

Eating Late Increases Hunger, Decreases Calories Burned, and Changes Fat Tissue (ブリガム アンド ウィメンズ病院 2022年10月4日)
Late isocaloric eating increases hunger, decreases energy expenditure, and modifies metabolic pathways in adults with overweight and obesity (Cell Metabolism 2022年10月4日) How the timing of dinner and genetics affect individuals' blood sugar control (マサチューセッツ総合病院 2022年1月25日)
Interplay of Dinner Timing and MTNR1B Type 2 Diabetes Risk Variant on Glucose Tolerance and Insulin Secretion: A Randomized Crossover Trial (Diabetes Care 2022年1月10日)
Late-night eating: OK if you have diabetes ? (メイヨークリニック 2021年6月17日)
Lack of Sleep and Diabetes (米国睡眠財団 2020年11月20日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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